小技連打

十一撃目:たまにはいいよね(00.9.18) 今回はギャグではないで〜す★

 

「うわ〜〜!ホント遅くなっちゃたね〜〜!!」

「そうですね〜!もう暗くなっちゃいましたね〜・・・・・・」

そう話しているのは悟飯とビーデル。
二人はこの日、追試により下校が遅くなっていた。
追試・・・とは言っても、別に成績が不振なわけではない。
二人とも授業中に、よく事件が起こり、まともに授業を聞いていないので
ちょっと心配だ、という先生の配慮であった。
(悟飯の場合は腹痛や頭痛・・・その他もろもろの理由によるのだが・・・・)

「もう、日も短くなってきましたね〜・・・・・」

「そうね〜・・・」

下足室から出、校門へと歩きながら空を見上げる二人。
そして、校門までの短い道のりは、追試のテストの話で終わってしまった。

(あ〜あ・・・・もっと話したかったな・・・・・)

そうは思うものの、なかなか言う事が出来ずそのまま、悟飯とは逆方向の道へと体を向けた。

「じゃ・・・じゃあ私の家こっちだから!悟飯君も飛行機に一応気をつけてね!」

「あ・・・・もうこんな時間ですし送っていきますよビーデルさん。」

(え・・・・!?)

「で・・・・でも悟飯君こそ時間大丈夫なの?」

「少しスピード上げて飛んでいけば全然大丈夫ですよ。」

そう言って、悟飯はビーデルの横に並ぶ。

「あ・・・・・じゃ・・じゃあ送ってもらっちゃおうかな。」

少し顔を赤らめるビーデル。
そして二人はビーデルの家の方角へと別に急ぐわけでもなく
二人の時間を楽しんでいるかのようにゆっくりと足を進ませた。

突然、フフ・・とビーデルが笑い出す。その様子に悟飯が不思議そうな顔をする。

「?・・・どうしたんですか?ビーデルさん」

「・・・・なんか・・・・家まで送ってくれるなんて、悟飯君にしては珍しいなぁ〜〜って思ってさ♪」

「そ・・・・そうですか?」

「そうよ〜!いつもは女の子の気持ちなんて全然理解してくれないのにさ!
 私も何度嘆いたことか・・・・・・・」

そうは言うものの、顔は笑っているビーデル。

「す・・・・・・すみません・・・・・・」

「いいわよいいわよ。そこが悟飯君らしいといえば悟飯君らしいし・・・・・」

 

そして、二人が和気藹々と会話を進めているうちに、
道はビル群を抜け、住宅街へとなっていた。

「あ・・・・・・・なんかさっきまではビルがあってあんまり気付かなかったけど・・・・・
 もうこの時間ってこんなに星が出てるのね。」

「わぁ!綺麗ですね〜〜〜〜!」

再び空を見上げる。先程よりも、空は暗くなり、変わりに星々が輝きを増している。
二人の足取りも、空を見上げているせいか、自然と遅くなる。

「でもきっと、悟飯君の家の方で見た方が、星も数段綺麗なんでしょうね。」

「そうですね。あそこは周りに何もありませんからね。ハハ」

「・・・・・・今度さ、悟飯君の家の方で、星、一緒に見ていいかしら?」

「いいですよ!でも、冬は冷えてしまいますから、近いうちの方がいいですね」

しばらく、黙って星空を見上げる二人。
すると、少し離れたところに、ビーデルの家が見えてきた。

(・・・楽しい時間だったけど・・・やっぱり何もなかったわね・・・・・)

少し、残念そうな顔をするビーデル。
悟飯の方を見てみる。
しかし悟飯はまだ星空を見上げたままだ。

(しょうがないか・・・・送ってくれただけでも、大きな進歩かもしれないしね・・・・)

と、今日の進展に、ビデルが諦めかけた時、

「ビーデルさん!危ないですよ!」

悟飯がビーデルの手を握り、引き寄せる。

(え!?)

車の通り過ぎる音がする。
今まで自分のいた位置を見てみると、どうやらビーデルは上を見ているうちに、車道へと出ていてしまった様だった。

「あ・・・ありがとう・・・・」

「すみません、僕も上を見てて、注意するのが遅くなっちゃいました。
 ・・・・あ・・・・ビーデルさんの家って、あの左側の方に見える家ですよね?」

「う・・・うん・・・・・」

そして二人は歩き出す。

(・・・・・もう家か・・・。・・・・あ・・・・・・)

あることに気付き、ビーデルは自分の左手に視線を運ばせた。
と、そこにはビーデルの手をしっかりと握っている悟飯の手があった。
悟飯本人は自覚しているのかしていないのかはわからないが、
それでもビーデルは嬉しさを隠せない。

悟飯の手を握り返す。
すると、悟飯がビーデルの方にふり返った。

そして二人は目が合うと、お互い少し照れくさそうに笑った。

(追試か・・・・たまには・・・・いいかもね♪)

 

終劇 ちょっと恥かしいなあ(^^;