アフターケアは大切に。(3)
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   そしてその翌日。今日は月曜日。
    また新しい一週間が始まる。こんな日は憂鬱になる。
   そしてここにもそんな表情を装った人が一人。
    しかし彼が憂鬱な理由は別なところにあったのだが・・・。

   「しかしあれはまずいよな〜〜・・・・
   悟天のやつ何も分かってなさそうだからうっかり
   お母さんに・・・・・・」

   一瞬血の気が引く。
   彼の母であるチチは特に二人の交際を反対しているわけではない。
   しかしやっぱり何かあったあとだと顔を合わせづらいものがある。
   起き立ての頭の中でそんなことを考えながら
   眠気に襲われ、考えることすらままならなくなってきた。
   
   

   「悟飯ちゃ〜〜〜ん!!朝だぞ〜〜〜!!!」

   彼の部屋のドアを騒々しく開ける。部屋中に声が響いた。

   バッ!

   声には出さなかったがその動作でその驚きを表していた。
   彼は急にベッドから身を起こした。
   ふとベッドの横に置いてある目覚し時計に目を向ける。
   時計の長針がさっきとはまっ逆さまに向いている。

   「うわ〜〜・・・あれから30分もたっちゃったのか〜〜〜」

   「もうご飯できてるからな。早く来るんだぞ」

   「はい、わかりました。」

   いつものように礼儀正しく返事をし、
   チチが部屋のドアを閉め、去っていったのを確認すると
   彼は急いで着替え始め3分後には食卓のイスについていた。

   「あれ??今日は何でお赤飯なんですか?」

   悟飯が食卓のお赤飯に目を向けチチに尋ねた。
    チチは忙しい手を休め、180度体の向きを変え、
   悟飯の顔を見てやけに嬉しそうな顔をする。

   「そったらこと決まってるじゃねえか!
   ま〜ったく悟飯ちゃんてばな〜に言ってるんだか。。」

   「・・・・・・??」

   話の意図がつかめない悟飯に気づいていないのか
   お構いなしなのかそのまま続ける。

   「いや〜〜・・・オラも嬉しかっただよ・・・。
   悟飯ちゃんもやればできるでねいか!
   きっと天国の悟空さも喜んでるぞ!!」
  
   (僕なんかしたかな〜〜?)

   しばらく悟飯は心当たりあることを色々と思い巡らせていた。
   そして・・・悟飯の脳裏に昨日のあのシーンが過ぎった。
   
   (ま、、まさか・・・・・・・・)

   悟飯の心の声を横切るかのようにチチが言った。

   「昨日のオラ、いいとこで声かけただろ?
   神の声とはまさにあのことだな!
   悟空さも天国からオラのこと見てて、惚れ直したにちげいねい!」

   何故かチチが両手を頬にあて、真っ赤になって照れている。
    
    「ハ…ハハ・・・・・・」

   やっぱり、という顔で苦笑いをする悟飯。 

   「お母さんまで・・・・・」  

   「ん?どうしただ?」

   「あ・・・いや・・・・・・・・・・行って来ます!」

   焦って席を立ち、家を出ようとした。
   その時もうひとつの声が悟飯を呼び止めた。

   「あれ?兄ちゃん。もういくの〜〜?」

   たった今起きてきたと見える悟飯の弟、悟天。
   昨日のあ’の’現場を見られた人の中の一人である。

   「悟飯ちゃん!朝ご飯はどうするだ?
   まさか食べていかねぇってことはねえよな?
   悟飯ちゃんのために作ったんだぞ?」
   
   悟天に続き、チチも呼び止め体勢に入った。
   その横にはチチの発言に対し、どことなく寂しそうな 
   表情の悟天がいた。

   「あ・・・・あの・・・・それは・・・・」

   悟飯もこの場を逃げたい一心で必死に逃れようとしたが
   チチには逆らえない。仕方なく再び席につき食事を始めた。




    「そ・・・・・それじゃあ行って来ます!!」
   
   気まずい朝食を済ませ、(気まずいのは悟飯だけだが・・・・・・)
   悟飯は足早に外へと向かって行った。

   「兄ちゃんビーデルのお姉ちゃんにヨロシクね!」
   
   ガクッ!!
   悟天の見送りの一言に、舞空術で飛びかけた足元がバランスを崩す。

   「ハ・・・・ハハ・・・・い・・・行って来ます・・・・・・・・・」
 
   ここで何か言うと悟天の隣にいるチチに、また何か言われそうだったので
   それだけは勘弁して欲しいということで、悟飯はそのまま飛び去って行った。

   「・・・・あ〜あ・・・・この分じゃ帰ってからも何か言われるだろうな
   あ・・・・・・」

   増々憂鬱な気分になる悟飯であった。



   そして、ものの数十分後。
   悟飯はいつも通り、オレンジスターハイスクールの屋上へと降り立ち、
   定番となったグレートサイヤマンのコスチュームを解きながら
   教室へと向かって行った。

   「・・・・あれ・・・・・・・・・・?」

   教室へとは入ったものの、まだ誰もいない。
   悟飯の声だけが静かな教室へと響き渡る。
   
   「・・・・そっか。今日は朝御飯急いで食べてきたからなあ・・・・・・。
    ・・・・・・・・・・・早く着きすぎちゃったなあ・・・・・何してよう・・・・」

   鞄を一番窓際の自分の席へ置き、静まり返った教室を見まわす。
  
   (・・・・・教室ってこんなに広かったっけ?)

   静寂の空間。身の回りの今まで気付かなかったことに気付く。
   悟飯には、なんだかとても新鮮な時間に感じられた。
   自分の席に腰をかけ、窓の外を眺める。
   オレンジスターハイスクールには比較的緑が多く、
   規則正しく並べられた木々は、人口的なものをイヤでも感じさせるが、
   それでも、その木々には鳥がとまり、朝の音を奏でている。

   (・・・・・・今度から、この位の時間に来てみようかな。)

   心穏やかな時間が流れる・・・・・


   グギュ〜ルルルルルル・・・・・・・・・


   「!?」

   ・・・・・・流れるはずだった。
   しかし、悟飯の盛大なお腹の音に朝の穏やかな時間はかき消され、
   静かな教室へ、悟飯のお腹の音が響き渡った。

   「あ・・・・・そっか・・・・・今日は朝御飯、急いでてろくにたべられな
    かったからな・・・・・。」
   
   そう悟飯が言いかけた瞬間だった。

   「あっはっはっはっはっは!!!!」

   「!!」

   突然、教室の後ろの方から笑い声が聞こえた。
   悟飯は驚き、慌ててイスを倒しながら後ろを振り向いた。
   するとそこにはお腹を抱えて涙を流しながら笑うビーデルがいた。

   「ビ・・・・ビーデルさん!!!!!」

   「クッ・・・・ハハ・・・・!!お・・・おはよう・・・悟飯君・・・・・ハハ・・・・!!」

   「ビ・・・・ビーデルさん・・・・・今の音、聞いたんですか・・・・・??」

   「え!?・・・・クク・・・・・聞いたわよ・・・・・フフ・・・・
    凄い大きなお腹の音ね・・・・!・・・ハハ・・・!!」

   自分の失態の現場をビーデルに見られ、悟飯は見る見るうちに顔を赤くしていった。
   ビーデルは未だに笑いつづけている。

   「そ・・・・・そんなに笑わなくてもいいじゃないですか・・・・・。」

   身を縮めながら言う悟飯。

   「あ!!ゴメンゴメン!!なんかさ、教室に入ろうとしたら、悟飯くんが
    イイ感じで外眺めてたから邪魔しちゃ悪いかな〜ってそのまま悟飯君が気付くまで
    待ってようって思ってたら・・・・急に・・・・盛大なお腹の音が・・・・・ハハ・・・!!」

   一度笑いが治まったビーデルだったが、先程のことを思い出し、
   再び笑い出す。
 
  
  ビーデルの笑いがやっとおさまり、
  二人ともいつもの席に身をとどめた。
  もちろん、お互い隣に座っている。
  しばらくかばんの中から教材を出したりと
  会話のない時間が続く。
  ビーデルはどう思ったか分からないが、
  悟飯にはこの時間が気まずく思えた。
  何か切り出さないと!という焦りが悟飯を襲う。

  「あ、あの・・・ビーデルさん!」
 
  「なに?」
 
  「・・・昨日はどうでした? 
  お父さんに何か言われたり・・・しませんでした?」

  「ああ・・・そうね、悟飯君の家に電話がかかってきたときは
  すごい剣幕だったけど・・・。でも何とか理解してくれたみたい。」

  カバンをしまいながら軽く笑うビーデル。

  「そうですか・・・・」

  そのとき悟飯の頭に有る光景が過ぎった。
  あのシーンである。
  ビーデルはあのシーンを悟天やトランクス、
  ましてやチチまで見ていたということを知ったら
  どう思うだろうか・・・?
  そんなことをふと思った悟飯は
  さり気なくビーデルに聞いてみようと思った。

  「ビーデルさん、昨日は・・・楽しかったですね、ハハ・・」
 
  わざとらしく笑いを付け加える悟飯。

  「そうね、勉強の方も悟飯君のおかげで
  だいぶ理解できたし・・・・」

  そのとたんビーデルは急に今まで悟飯のほうに
  向けていた顔をそらし、顔を赤らめた。
  
  悟飯にしては珍しくこのビーデルの行動が
  何を察したのか理解でき、同時に悟飯も顔を赤らめた。

  「あれ〜〜??あんたたち何やってんの〜〜??」

  悟飯たちの席からかなり離れたところに有るドアから
  誰かが叫ぶ。

  「イレーザ!!!」

  「イレーザさん!!」

  ビーデルと悟飯が同時に叫ぶ。

  「あんたたち怪しいわね〜〜」

  「な、何いってんのよ! 
  イレーザこそこんな朝早くから何やってるのよ!」

  ビーデルが焦って言い返した。

  「あら?あたしは今日部活なのよ〜朝早くてあたりまえじゃない。
  それよりなんでビーデルと悟飯君がこんな朝早くから
  二人っきりでいるのかしら〜?」

  「そ、それは・・・そう!悟飯君に勉強教えてもらおうと思ってっ!
   ねっ!悟飯君!!」


  「あ・・・・あはは・・・そうなんですよ!!」

  思わずビーデルに口裏を合わせる。
  こんなたった今作った作り話にイレーザが気づかない
  はずがなかったが、まんまとだまされたような顔をする。

  「あ〜ら?そうだったの?ごめんなさいね、お邪魔して!
  それにしてもこの前の土曜日も二人きりでいたわよね〜。
  勉強だいぶ危ないみたいね、ビーデル!ま、頑張ってよ!」

  イレーザはくるりと回れ右をしてまた去っていってしまった。
 
  「一体何しにきたのかしら・・?イレーザ・・・」

  「・・・・・・・・さあ?どうなんでしょう?」

  もういないのだが、イレーザがさっきまでいたドア付近を見つめ、
  冷や汗を流す、悟飯とビーデルであった。

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むむむう!!ようやく(3)です(汗)
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