アフターケアは大切に。(終)
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 「(ねえ、ビーデル。あんた達何かあったでしょ?)」

 「(!!)」

 思わず握っていたシャープペンシルを下へ落としてしまった。
  
 「(な、なに言ってんのよ!!・・・・それより今は授業中よ?
 ちゃんと勉強したら!?)」

 「(あら〜〜〜ムキになるとこが増々ア・ヤ・シ〜!!それに
 今日に限ってイイ子ちゃんになっちゃって!いつも話してるじゃない!)」

 教科書を机の上に立て、身を屈めながらビーデルに話しかけるイレーザ。
 落としたペンを拾いながら、それをかわそうとするビーデルだったが、
 イレーザの話は尚も続く。

 「(っていうか、あの状況見て、何も無いなんて思う方がおかしいわよ。
 言い訳も胡散臭かったしね!・・・まあ私はアンタの親友だし?
 信じてあげたふりしてたけど・・・・・・・・・・・・・。)」

 「(・・・・・う〜・・・・・・)」

 「(・・・・・あんた達、もしかして付き合ってるの?)」

 瞬時にビーデルの顔が赤くなる。それを見てイレーザは
 『やっぱりね』といった顔をして、ニヤリと笑った。

 「(・・・・べ・・・別に・・・・まだ付き合ってるわけじゃないわよ!!)」

 「(ふ〜ん・・・『まだ』・・・ね・・・。ってことは今後にその可能性が
 あるわけだ。)」

 「(・・・・・・あ・・・・!!)」

 墓穴を掘ってしまうビーデル、慌てて口を隠すがもう遅い。
  
 ところで、今は授業中なのだが、ビーデルやイレーザの周りの
 生徒は、殆どが居眠りをしており、それに二人は結構小声で
 話しているので、聞かれる心配はあまりない。イレーザの隣の
 シャプナーは起きてはいるのだが女の恋話か、と、興味無さ気だ。
 悟飯はというと、黒板の文字を写したり参考書を見たりと忙しく
 二人の様子に気付いてない。

 「(ねえ〜〜〜!!詳しく聞かせてよ!!そこら辺のトコ!)」
 
 「(もう!!イレーザったら!)」

 
 ピピピピピピピ・・・・・・・・

 「!!」
  
 突然、ビーデルの時計形の通信機が鳴り出した。
 どうやら、また事件が起こった様である。
 クラス内の視線がビーデルに集められる。
  
 「はい!!こちらビーデル!!どうぞ!!」

 『ビ・・・ビーデルさん!ぎ・・・銀行強盗がサタンシティバンクを襲いまして
 西へ逃亡中です!!只今ハイウェイのあたりで追跡中なのですが、
 相手が銃を乱射していましてなかなか近づけません!!どうぞ!!』

 「了解!直ちに現場へ直行します!」

 通信を追えるとビーデルは立ちあがり、勢い良く階段を下る。

 「先生!!済みません!!ちょっと行って来ます!」

 「あ・・・・はい。お気を付けて・・・・・・・・」


 (・・・・銀行強盗・・・・事件か・・・・よし!!僕も行かないと!)
 
 今まで、授業に集中していた悟飯だったが
 ビーデルの通信を聞き、いつも通り自分も行こうとする。

 「先生!!スミマセン!!ちょっと保健室に・・・・・・!!」

 「まあ、またですか!?一体何度目だと思っているんです!!」

 いつも保健室やトイレに行くと言って出ていく悟飯に
 先生も、そろそろ怒り気味だ。
 しかし、そのくらいで引き下がる悟飯ではない。

 「なんか昨日食べたカエルが悪かったみたいで・・・・・ということで!!」

 そう言って、悟飯は先生の返事も待たないまま、急いで教室を出ていった。
 そして、教室には『カエル』と言う言葉に青ざめているイレーザ他、
 ポカンとしている生徒たちが残された。



 「ヒャハハハハ!!!どうした!?オレ達を捕まえるんじゃなかったのか!?」

 ズドドドドド・・・・・・

 マシンガンを乱射し、警察をからかいながら、ハイウェイを暴走する強盗達。
 一体これまでに何台の車両が巻き込まれたことか。
 警察もこれ以上被害をだしては、と懸命に追いかけるものの、
 近づき過ぎると犯人達に攻撃を食らわされてしまう。
 空から攻撃しようとも、横を走る一般車両に被害が及ぶ。
 既に3台のパトカーやヘリが犠牲となっていた。
  
 「くそ!!このままじゃ、管轄領外に出てしまう!!直ちに
 この先の街の警察に許可をもらえ!!」

 「了解!!・・・・・ん・・・・・?」
 
 「なんだ!!どうした!?早くしろと言っているんだ!!」

 「・・・・・あ・・・あれは!!ビーデルさんだ!!」
 
 「何!?」

 空の向こうから、悟飯に習った舞空術で飛ぶ
 ビーデルの姿がだんだんと大きくなってくる。
 それを見、警官達は口々にビーデルの名前を呼んだ。
 犯人達も車の中ではあるが、その警官達の様子に
 不信感を覚え、まさか、と窓を開けて空を見、ビーデルの姿を
 確認した。

 犯人たちはビーデルの姿を確認すると、
 走らせていた車を道のど真ん中で止め
 車から降りてきた。
 犯人は二人。
 いかにも強そうなごっついヤツ、(多分こっちが頭だろう)
 もう一人はチビデブという定番パターンである。

 「けっ!警察のヤローがあんなに騒ぐなんてどこぞのヒーローさんかと
 思ったらこんな小娘じゃねえか!」

 つばを吐きながら馬鹿笑いするのは頭らしきごっつい人物。

 「このサタンシティーも終わりだな!」
 
 調子に乗り、後に続くのはチビデブ。

 「そんなこと言ってられるのも今のうちよ!!早くマシンガンを
 渡しなさい!!」

 ビーデルが10メートルほど離れた場所から右手を差し出し
 マシンガンを要求する。

 「へっ!誰が渡すかっていうんだよ!!」

 全く聞く気がないようだ。
 再び犯人(チビデブの方)がマシンガンを構え、
 ビーデルの方に銃砲を向ける。ねらいを定め・・・・

 ズドドドドドド・・・・・・

 「おいおい、ちょっとやりすぎなんじゃねえの?
 レディーには優しくしなきゃよぉ!」

 皮肉をこめた言い方で、とても同情しているようには見えない。

 「あの嬢ちゃんもまだ若いのにお陀仏だったな!あばよ!!」

 てっきり犯人たちはビーデルは死んだものかと思っていた。
 ビーデルがいた一帯はマシンガンで相当撃たれたため
 煙で立ち込めていて何も見えない状態だった。
 だから犯人は当然そう解釈していた。
  
 しかしビーデルがこれしきで死ぬはずがない。
 というか銃弾を受けていないのだから死んでいるはずもない。
  
 犯人たちが再び車に乗ろうとしたときだった。

 「待て!!!!!」

 「あん??」

 犯人たちがガン付けで声の発信元のほうに顔を向ける。
 すると、彼らの目の前には・・・・・・

 「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!!悪を倒せと僕を呼ぶ!!
 このあたまのへルメットが目に入らぬか!?
 ご存知、正義の味方!!!
 グレ〜〜〜ト!サイヤマ〜〜〜〜〜〜ン!!!!!!!」

 悟飯がいつものお決まりのポーズで叫んだ。
 実はビーデルはマシンガンの銃砲を受ける前に悟飯に助けられ、
 無事に保護(?)されていたのだった。つまり、犯人たちは誰もいない
 場所に無駄に撃っていたのだった。

 そして犯人たちはというと・・・あまりの悟飯の登場に
 しばらくポカーンと見つめる。
  
 「だ、誰だこいつ・・・・」

 「さ、さぁ・・・・?」

 犯人たちの会話にカチンと来る悟飯。

 「さっきグレートサイヤマンって言ったじゃないか〜〜!!!
 まさかあの決まったポーズ見てなかったんですか!?
 しょうがない。もう一回やりますから今度はちゃんと見ててくださいよ!!」  
  
 そういうと悟飯はまたさっきと同じポーズを構え始めた。
 犯人たちはやっと我に戻りマシンガンを持ち、
 今度はグレートサイヤマンを狙う・・・・
  
 「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!!悪を倒せと僕を呼ぶ!!
 このヘルメットが・・・・・」

 悟飯の言葉をさえぎるように銃声が響いた。

 ズドドドドド・・・・・

 「へっ!全くこの街は変な奴らばっかだぜ!
 早いとこいただいた金を持って退散しようぜ!」

 「ヤツも終わったな・・・・・」

 悟飯の周辺にはまた煙が立ち込める。
 犯人たちは今度こそ、するまでもない死体確認を
 してから去ってろうと思っていた。
 ここまで来たら犯人たちもやけくそで
 人一人くらい殺さないと気がすまなくなっていた。
 しかし予想とは裏腹に煙の中からはうっすらと人影が・・・・。。

 「!?」

 煙の中の影は確かにさっきもそこに立っていた
 あのグレートサイヤマンとか言うヤツの影をかたどっている。
 犯人たちはギョッとする。
 あんなマシンガンの攻撃をうけていながら、死んでいないはずがない。

 「あいつ・・・・立ったまま死んだのか・・・・・?」

 あるはずもないことを口にする犯人たち。
 そしてだんだんと煙が薄くなり、人影がはっきり見えてくる。
 やはり、どう見てもさっきもそこにいたヤツだ・・・。
 
 「急に撃たないでくださいよ〜!痛いじゃないですか〜〜!!
 ポーズだってまだ途中だったんですよ!?
 君たちが見たいって言うから(違)僕もう一回やったのにぃ!
 その自己中心的な性格は直した方がいいと思います!!」

 煙の中から無傷で出てきた自称グレートサイヤマンを見て、
 犯人たちは焦りだした。

 「に、人間じゃねえ!!!」

 「とっとと退散しようぜ!!」

 そんな会話の中にも焦りが見える。
 犯人たちが車に乗り込み、少々走り出したときだった。
 犯人たちから見れば、これで一安心だっただろう。
 何故か警察も追ってくる気配もないし・・・・・

 「ハッ!!!!!」

 ドン!!!!

 ある声と同時にいきなり犯人たちの車がきれいにひっくり返った。
 弾みをつけ、一回、二回転!!
 もちろん、これは悟飯の仕業。
 遠くから右手ひとつで気攻波を放ち、車をひっくり返してしまったのだ。

 車の中の犯人たちは死んではいないものの重症を負った。
 当たり前といえば当たり前なのだが・・。。
  

 事件が一段落し、ビーデルと悟飯(グレートサイヤマン)
 が向かい合って話を始める。

 「大活躍だったわね。」
 
 「ええ・・・これでだいぶ懲りたと思いますが・・・」

 「ところで・・・・さ・・・」

 「はい?」

 ビーデルの視線が悟飯のコスチュームに映る。

 「そのコスチューム・・・かっこいいわね・・・」

 顔を赤らめて少々うつむき加減。

 「ビーデルさん、さすがですね!!」

 「・・・・・・?」

 予期しなかった悟飯の反応にうつむいたいた顔を少々上げて
 上目で悟飯を見る。

 「なかなかこのコスチュームの良さを分かってくれる人が
 いないんですよ!!どうです?もし良かったビーデルさんも
 ブルマさんに頼んで作ってもらっては・・・?」

 悟飯の名案にビーデルはガバっと顔を上げ目を輝かせた。

 「そうね!!さすが悟飯君!!!!」





 時は流れ・・・数日後。

 ピピピピピピ・・・

 「はい、こちらビーデル!」

 「ビーデルさんですか!たいへんです!!!
 今サタンシティーの中心街で市長が人質に取られました!
 目的はわかりませんが、かなり強力な爆弾も持ち合わせていて
 とても危険な状態です!」

 「分かりました、今行きます!!」

 もちろん今は授業中。ビーデルのもとにまた事件発生の知らせが。
 急いで席を立ち階段を下りていく。

 「先生、行ってきます!!」
  
 「あ、はい。頑張ってね。」
 
 先生の了解の下、ビーデルは教室を飛び出し現場に向かう。

 (あ、僕も行かなきゃ・・・!!)

 「先生!!あの・・・・トイレ行ってきていいですか!?」

 「孫 悟飯君!!君はいっつもそう言って戻ってきた試し
 がないでしょ!?数日前だってそうだったじゃない!」
  
 「あの・・・でも・・・どうやら数日前食べたカエルが
 まだ引きずってるみたいで・・・ 毒有ったのかな・・・?
 それで今とてもお腹が痛いんです!!」

 何故か自信ありげに発言する悟飯。
 そしてまた先生の返事もまたないまま教室を飛び出していった。

 「ちょっと孫 悟飯君!!待ちなさい!!
 君は一体どんな食生活をしてるんですか!?
 あとで生徒指導室に来なさい!!!」

 教室には先生の声が空しく響いていた。
 そしてまた教室には「カエル」という言葉に青ざめる生徒たちがいた。

  

 場所は変わってここは市長が人質に取られているという例の現場。

 警察官たちは今日もビーデルを待っていた。
 あの人が来てくれればどうにかなる。
 そう思っていた。

 そしてある警察官が上空に人影を発見する。
 二人・・・・
 その二人が空から舞い降り、地に足をつけた。
 警察官もやっと彼らの顔を確認する・・・・?

 「!?ビーデルさん・・・!??!」

  
 「この世に悪がある限り!!」

 「正義の炎が怒りと燃える!!」
  
 「グレートサイヤマン1号!」

 「同じく2号!」

 「またまたズバッと一丁あがり!!!」

 二人で手の込んだポーズを完成させる。
 そう・・・この二人はもちろん悟飯とビーデル。
 先日ブルマに頼んで女版コスチュームを作ってもらったのだった。
 そして今日が二人での初仕事。
  
 グレートサイヤマンは今日も行く!
  

  
 「いや・・・まだ事件終わってないって・・・・」
 
 こう突っ込んだのはどこのどなたさん??




                             終

 

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Wグレサイのセリフは映画からです(笑)
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