秋だから
    腹もめげすに
          せつない系(2)

 シーン…

 悟飯の部屋の中が静まり返る。
 外からは秋の虫たちの合唱が聞こえ、夜を華やかなものにさせている。

 「…………はい?」

 しばらくして、悟飯が聞き返した。

 「え?だからよ〜!オラと悟飯でフュージョンすんだよ!
  それで学校の牛丼食いに行くんだ!」

 「………」

 口を開けたまま固まる悟飯。

 「?ああそうか!フュージョンっていうのはな、姿形の似た者同士が・・・・」

 悟飯の沈黙を、フュージョンというものを知らないから
 黙っているのだと解釈し、人差し指を立てて説明しだす悟空。

 「え!?あ…いや…フュージョンのことは知ってます!」

 「じゃあ問題ねえじゃねえか!」

 「あ、、あの本当にフュージョンするつもりですか・・・・・・・・・?」

 「だってオラこのままじゃ牛丼食えないんだろ?だったらこれしかねえよ!」

 「…は…はあ……」

 長年、悟空の息子として悟空の側にいた悟飯だが、
 今回の悟空の発言には、呆気に取られている様子。

 「まあ…悟飯がどうしてもヤダっつーなら、オラ駄目元で食堂ってとこ
 行ってみるけどよ。」

 「だ、だめですよ!!そんなことしたら!僕が恥かしいじゃないですか!!」

 手を左右に降り、必死に訴える悟飯。
 一方悟空は、何で恥かしいんだ?と、不思議そうな顔をしている。
 そんな悟空の顔を見、悟飯はこの人ならやりかねない、と青ざめ
 その場で俯いた。

 「…?どうした?悟飯?」

 「…わ、わかりました。フュージョンしましょう…。」

 「ホントか!?」

 悟飯の言葉に、悟空は少年のように目を輝かせた。

 「ただし!!」

 俯いていた顔を上げキッと悟空を悟空を見る悟飯。

 「ただし!!食堂に行けるお昼休みだけですからね!フュージョンするのは!」

 「わかった♪わかった♪」

 もう、牛丼が食べれるということが分かり、ニッコニッコして止まない悟空。

 「…じゃ・・じゃあ、お昼休みに学校の校舎裏に来てください。
 誰にも見つからない様にお願いしますよ?」

 「?校舎裏ってどこだ?」

 「…僕の気を探って来てください。」

 「お!そうか!わりぃわりぃ!!」

 「………」

 ため息をつき、牛丼の話をするんじゃなかったと、
 今更ながら悟飯は自分の発言に後悔をした。

 「よ〜〜〜〜し!!じゃあ今からフュージョンの特訓だ!!」

 「えええ!?もしかして、明日実行するんですか!?」

 屈伸をしている悟空を見て、慌てる悟飯。

 「な〜に言ってるんだよ!なんとかは急げっていうだろ?」

 「…善は急げです…」

 「はい!じゃあまずは手の角度に気をつけるんだ!で、こうして…」

 もうこの父は止められない…悟飯は強くそう思った。
 そして渋々とイスを立ち、父の指導を受けることにした。

 「ハイ!ワンツーワンツー!!」

 日も完全に落ちたころ、鈴虫の鳴き声と共に
 パオズ山にはりきった悟空の声が響き渡る…。

 

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