秋だから
    腹もめげすに
          せつない系(5)

「ああ!!それより!!」  

目の前にある牛丼に目を向け、再びよだれをたらす悟飯。
さっきまでの焦りはどこに行ってしまったのだろうか。
昼休みも残り5分を残し、生徒もだんだんと減っていく。  

しかしここでサイヤ人の力を発揮すべきとき!
牛丼一杯何のその!!
普段何十人前も食べているサイヤ人にとっては牛丼一杯など
平らげるのに一分もかからないのであった。  

急いで噂の牛丼を腹に収め、教室に向かった。
どうやらギリギリ間に合ったようだ。
生徒は皆席についているとはいうものの、
まだ先生は来ていない。  

そして、予鈴。

ガラッと教室のドアが開き、教科担任が入ってくる。  
授業が始まり、先生の声が教室に響く。
いつもならノートも取り、その他に問題集やらとにかく無駄のない時間を
過ごしてきた悟飯だったが、
今日ばっかりは落ち着かないらしい。
しきりに時計を見、周りを見渡し、そわそわしている。  

(そうだな〜。とりあえずフュージョンが解けそうになったらトイレに行って…
 そこから悟空に瞬間移動で帰ってもらえばいいか…。)  

そう思いながらも、さっき食べた牛丼の味を思い出す…。  

(あの牛丼、うまかったな〜。また食べたいな。。)  

牛丼にまつわることで考えを巡らせていたためか、悟飯は視線に気づかなかった。
ビーデルの自分を訝しそうに見つめるその視線に…。      

「・・・・・・・・・・・・・・・・・あああああああああああ!!!!!!」  

突然、ひとつの叫びが教室中、いや学校中に響き渡った。
もちろん悟飯の叫び声だった。
またもや重大な出来事に気づいたらしい。  

「孫悟飯君!!!!」  

気がつくと目の前に立っている先生。
叫んだことに自覚を持っていないのか、

何故目の前に先生がいるのか理解のできない悟飯だった。  

「孫悟飯君、何か質問でも・・・?」  

「ちょっと聞いてくれよ!!牛丼が―――!!」  

そういいかけてやっと自分の置かれた立場に気がついた。  

「牛丼・・・!!??」  

先生の顔が瞬く間に変わっていく。  

「孫…悟飯君…?」  

目の前には鬼のような目つきの先生がいた…。  

「あ…あ、、、…なんだ?」  

開き直ったのか、やけに落ち着いて答える悟飯。  

「今、何の授業だと思ってるの?」  

「え?え〜と、、。。」  

悟飯は机の上に乱暴に置いてあった教科書を手に持ち上げ、
裏がした表紙の文字を見て答えた。  

「…英語だろ?ここに書いてあります。」  

「分かってるならきちんとやって頂戴!!はい、ここ訳して!!」  

「ああ。」  

椅子から立ち上がり教科書両手に訳し始めた。  

「ええっと・…Mr.サタンはそうして一人勇敢に戦いに…挑み、ました。」  

フュージョンした所為か、どうも途切れ途切れな訳になってしまう。  

「セルからのあらゆる…攻撃をかわし、
 見事に彼の必殺技『スーパー…ウルトラ?ミラクルメガトンパンチ!!』
 で地獄へお…陀仏?となりました。ああ…無念。セルも今ごろ後悔していることでしょう。
 世界最強の男、…Mr.サタン?(オレじゃないのか…?)を敵に回してしまったことを…。」  

「はい、座っていいわよ。孫悟飯君、これから気をつけてくださいね!!」  

少々今の訳に不満を持ったようだったが
先生の表情もさっきよりはだいぶ収まり、平常心を戻しつつあった。  

「あ…はい。」  

どうにかこの場をしのいだことにふう、と息を吐きながら、
悟飯はイスに、ズリズリと下に下がるようにして腰掛けた。  

 

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