Another World(5)
*今回の話は各キャラクター(特に悟飯)が著しく壊れています。
 気分を害する恐れもありますので、ここのキャラは偽者なんだという風に
 割り切って読むことの出来ない方は
 どうか引き返してください(^^;また、気が弱いので苦情も受け付けられませんので
 どうかそこのところをご理解頂いて読んで欲しいと思います。(汗

 

「ご・・・悟飯くん・・・・・・どうしたの??」

そう言って、ビーデルは不思議そうに悟飯を見つめ返した。
すると悟飯はより一層ビーデルの手を強く握り、そしてその握った手を
ビーデルの目の高さあたりまで持ち上げた。

「ああ・・・・君はなんて素敵な声で僕の名前を呼んでくれるのだろう!!」

「・・・・・・・・・・・・。」

ポカンとしてそのまま悟飯を見つめる。

「ビーデルさん…この幾百幾千と数多に輝く星々の元、僕達がこうして地球という星に
 時を同じくして生まれたのは、将に運命だとは思わないかい?」

片手を大きく上にあげ、あっちの方角を見ちゃっている悟飯。
その前にここは屋内だっつ〜に・・・。

「いよ!悟飯くんったら詩人!!最高!!」

横ではこの騒ぎの元凶とも言えるヤムチャが指笛を鳴らしている。

「僕はこうして君と同じ時間を送ることが出来て本当に幸せだよ!
 ああ・・・・・君は僕にガンジス川の如く悠々たる安らぎというものを与えてくれる・・・・。」

「ガ・・・ガンジス川・・・?」

「そう!ガンジス川です!若しくはアマゾン川でもいいですね!」

「・・・・悟飯くん・・・・・相当酔っているでしょう・・・・??」

もはやときめきとかの問題ではない。
悟飯の周りに漂うアルコールの匂いにビーデルはすっかり呆れ返っている。

(でも悟飯君が自分から飲むなんてあまり考えられないわよね・・・・。)

そしてビーデルはヤムチャに視線を渡らせた。
ビーデルの視線に気が付くと、ヤムチャはすっかり酔って赤くなった顔を笑わせた。

「・・・・ヤムチャさんですか?悟飯くんにお酒飲ませたの。」

きつい視線。しかしヤムチャはそんな視線をカッカッカと笑い飛ばす。

「いいじゃねえか!今日は無礼講だ、無礼講!!」

「悟飯くんはまだ未成年なんですよ!?」

ヤムチャに近付き、もっと言ってやろうとした。
しかしそんなビーデルを悟飯がとめる。

「ビーデルさん!僕以外の人をそんなに見つめないで下さい。」

再び強く握り締められる手。

「あのねえ、悟飯君・・・・・・・・ん・・・・・?」

そう言いかけた時、今の今までビーデルの瞳を
見つめて離さなかった悟飯の視線が、自分の頭上を過ぎ、
違う方向を見ていることにビーデルは気付いた。



「どう〜〜?孫君もヤムチャも悟飯君もビーデルさんも、
 皆楽しんでる〜〜〜〜?」

「ブルマさん!」

後ろを振り返ると、そこにはバーベキューのお皿を持ちながら
こちらに向かってきているブルマの姿があった。

(ん・・・・・?ってことは・・・・・・・・・・?)

再び悟飯に視線を戻す。
そう、悟飯の視線はブルマに注がれていたのだ。

「悟飯君・・・・・・・・・?」

すると今までギュッと握り締めていたビーデルの手を不意に離し、
悟飯はビーデルの横を過ぎ、ブルマの方へと向かっていった。

「あら、悟飯くん、どう?楽しんでる?」

「ブルマさん・・・・・・あなたという人は・・・・・・・」

「ん?」

串に刺さった鶏肉を食べながらブルマが答える。

「あなたという人は、どうしていくつになってもそんなに美しいのでしょう!」

   ブ――――――――――!!!!

唐突な悟飯の言葉に、ブルマは思わず口に含んでいたものを勢い良く
吹き出してしまった。
また、そんなブルマの悟飯を挟んだ向こう側にいるビーデルもズッコケている。

「ど・・・・どうしちゃったの悟飯君?」

口の周りを布巾で拭いながら尋ねるブルマ。

「どうもしませんよ。僕の本心です。」

そしてまた平然と答える悟飯。

「あ・・・・・そう・・・・・・・・。」

返す言葉も見つからず、ブルマが呆気に取られていると
悟飯の後ろから鬼の形相をしたビーデルがあたかも地響きを鳴らしているような
足取りで悟飯とビーデルの元へとやってきた。

「ご〜は〜ん〜く〜ん??なんて手が早いんでしょうねえ〜?」

当人が酒に酔っていると分かっているのだが、それでもやっぱり
許せないようだ。

「手が早いだなんて・・・・僕は自分の気持ちに正直なだけですよ。」

「も・・・もしもし??」

そしてブルマが何がなんだかわからず2人のやり取りを見ていると、
2人のさらに後ろから声が飛んできた。

「やっだ〜悟飯君たらブルマさんは人妻よ〜!手、出しちゃダメだぜ〜!」

「!ヤムチャ!!」

さっきまでは遠くてあまりよく分からなかったのだが、
顔を真っ赤にして酔っ払っているヤムチャを見てブルマは驚く。

「ハハ!面白れぇぞ悟飯〜!」

「そ・・・・・孫君まで!?」

さらに驚かされたのは同じくヤムチャ同様に真っ赤になっている悟空。
ヤムチャはともかく、悟空がここまで酔っ払っているのは、長い付き合いでも
はじめて見たからであった。

「ヤムチャ・・・・孫君だけでは飽き足らず・・・・・悟飯君まで酔わせたのね・・・・」

「なんだよ〜ブルマまでお堅いこと言うのか〜?」

「・・・・・・・・・・・・・。」

何か言い返そうと一度大きく息を吸い込んだブルマであったが、
こうも赤い顔してヘラヘラと笑われていたのでは、怒る気力も失う。
そのまま吸い込んだ息を深いため息へと変える他なかった。
すると再び後ろから悟飯の声がした。

「待ってくださいブルマさん!僕はまだあなたの答えを聞いてません!」

ため息を吐いていたこともあって、悟飯の呼び声に思わずカクッと膝を曲げて
バランスを崩す。
しかし悟飯の呼びかけに答えたのはヤムチャだった。

「お〜ブルマったら悟飯君の熱烈アタック受けちゃって罪な女だね〜〜!
 悟飯君もいいの〜〜?ベジータ怒っちゃうかもよ〜〜〜〜?」

「ベジータさん?」

あ、と気付いたように悟飯はベジータの姿を探し、キョロキョロと辺りを見回した。
またブルマもそんな悟飯につられ、夫の姿を探し始めた。

(そういえばベジータのやつ、案外嫉妬深かったりするのよね〜〜〜・・・・
 今の会話、聞かれてなきゃいいけど・・・・・・・・)

そんなことを考えながら視線を渡らせていると、丁度ブルマと悟飯
から同じくらい離れた距離にある、茂み・・・とまでは行かないが丈の低い
木々の向こうから、声が聞こえてきた。




「だからよ〜〜・・・・オレはサイヤ人の王子でエリートで・・・ヒック・・・
 とにかくすごいんだ・・・・・なのにブルマの奴ときたら・・・ック・・・
 このオレ様を尻に引く勢いでいつも物言いをしやがる・・・・・・ッウィック」

なんとそこにはグラス片手にヤムチャや悟空と同じく顔を真っ赤にしたベジータが
いたのだった。しかもその横でベジータに付き合わされているのは…

「う・・・・・・うむ・・・・。」

なんとピッコロ。
ピッコロは酔っ払ってはいないものの、ベジータの語る男と女というものについて
よく分からないながらも相槌を打っている。

「あまつさえ息子のトランクスもブルマまでとは言わないが時々口ごたえしやがる!
 まったく・・・・・やって・・・ヒック・・・られるか・・・・・!」



「・・・・・・・・・(ベ・・・ベジータが酔っ払ってる)。」

夫を見つめ、しばし呆然とするブルマ。

「どうやらベジータさんは僕がブルマさんにアタックしていても気にしてないみたいですね。」

「ア・・・アタック!?」

悟飯の発言に驚き、ブルマよりも先に反応したのはビーデル。
しかしそんなビーデルの声にも動じず、一人自分の世界を繰り広げていく
酔っ払い悟飯。

「ああ・・・・でも僕にはビーデルさんとブルマさんを選ぶことなんて出来ない・・・!
 どうしたらいいのでしょう・・・・・・・・。」

「あ〜〜・・・・別に悩む必要・・・無いんじゃないかな?・・・はは・・・・」

頭を抱え、苦悩のポーズをとる。
そんな悟飯を見、ブルマは引きつってはいるものの笑いは浮かべている。
しかしビーデルはというと、片眉を引きつらせたと思うと
スッと力を抜き、低い声で悟飯に言った。

「・・・・わたしもう今日は帰るわね・・・なんだか頭が痛くなってきたわ・・・・
 悪いけどこれ以上今日の悟飯君には付き合ってられないわ・・・。」

眉間を抑えながら、ビーデルはクルリと悟飯に背を向け、ドアの方へと進んでいく。

「あ〜あ!悟飯〜!ニオイを追うものは伊藤を得ずって言うじゃないか!」

「それを言うなら二兎追うものは一兎も得ずだろ悟空〜!」

ビーデルの後姿を見送るは、三十路男のショートコント。

「え!?ちょ・・・ちょっとビーデルさん!そんな・・・・・・!!」

悟飯は慌てて後を追おうとするが、その足取りが途中で止まる。

「?」

後ろからビーデルを追う悟飯の姿を見ていたブルマが、不思議そうに悟飯に近付く。

「どうしたの?悟飯くん?酔いが覚めたのかしら?」

スススと前に回りこみ、悟飯の顔を覗き込む。
すると悟飯の視線は既にビーデルではなく違う方向に向けられていた。

「・・・・・・・・?」

ブルマも視線をそっちへ渡す。
するとそこにはマーロンや悟天、トランクスへとバーベキューの串を渡しているチチの姿があった。

「ま・・・・・まさ・・・・・か・・・・・・・?」

恐る恐る悟飯に視線を戻す。
すると悟飯は胸に手を当てながらブルマに話し掛けた。

「ど・・・どうしましょうブルマさん・・・・!やっぱり僕、どこかおかしいのでしょうか?
 今まではなんとも思っていなかったのに・・・・・・・」

「だ・・・・・・!!」

それだけはダメとブルマが言おうとした瞬間、ブルマの声を遮って悟空が
大声を上げて駆けつけてきた。

「ダメダメ!!悟飯!それだけはダメだぞ!!チチにだけは手を出しちゃだめだぞ!?
 お前の母ちゃんだろ!?」

アルコールが入っているせいか、いつになく大胆ともいえる発言をする悟空。
しかし悟空の制止にも関わらず、悟飯の足はドンドンと進んでいく。

「だから悟飯!チチはダメだって〜〜〜〜!」

「悟飯君!お酒に酔っているからと言ってもそれはダメよ―――!!」

 

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