びゅーてぃふるらいふ (終)〜嗚呼、美しき日々〜

 

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「・・・・・へ?」

いつもより1オクターブ高い声で悟飯が聞き返す。

「どう思ってるって・・・・そうですねぇ〜〜・・・・」

悟飯が腕を組んで考え始めた。

(え?何?やっぱりすぐ答えられないほどの関係・・・?)

その悟飯の対応にショックを隠しきれないビーデル。
これ以上聞きたくなかった。
悟飯にとってビーデルは大した存在ではなかったのだ。

「・・・・・・・っ・・・・っ・・・・・・」

ビーデルは歯をかみしめた。急に自分が空しくなってきた。
嘘までついてこうして悟飯の家で勉強しているというのに、
最大の目的の答えがコレだ。
空しさと同時に失恋の痛みも降りかかってくる。

(・・・・・神様って・・・意地悪ね・・・・・)

こういう時に限って神の存在を意識してしまうものだ。
最もビーデルの言う神様と言うのは『デンデ』の事なのだが・・・

自然に涙もあふれてくる。
頬をつたる涙を横に悟飯はそれに気付かず、まだ腕を組んで考えている。
それでもビーデルはこの場ではっきりしとこうと思った。
こんな曖昧なままの方がもっと嫌だったからだ。

「はっきり言ってくれて良いのよ。嫌いって・・・・
 そっちの方が諦めつくし・・・。きっと悟飯君のことだから
 私に気を使ってるんでしょ?」

「・・・・・・へ!?嫌いって・・・・?僕がビーデルさんのこを・・・・!?」

お互いの反応に驚く二人。

(え?もしかして私のこと・・・・嫌いじゃ・・・無い!?)

(ビーデルさん、何言ってるんだろう・・・・)

少しの期待を胸に勇気をだして聞いてみる。

「もしかして・・・悟飯君・・・私のこと・・・す、す、・・・・」

『好き?』という一つの単語がなかなか言えないビーデル。
するとビーデルの台詞を横切って悟飯が言った。

「僕、ビーデルさんのこと嫌いじゃないですよ。」

言葉も出ないビーデル。

(え・・?それって・・・・それって・・・つまり・・・・・
 嫌いじゃないって事はすなわち好きって事!?)

心の中でそう解釈しながらもここまで苦しめられてきた悟飯に対して
ちょっと意地悪をしたくなった。

「それってどう言うこと?」

机に上に頬杖をつき、口元に薄ら笑いを浮かべ
悟飯を試すかのようにビーデルが訪ねた。

「え・・・っと・・・、つまりですね・・・・・その・・・・」

悟飯が戸惑っている。
さっきまで泣いていたビーデルもこんな悟飯がとてもかわいく思えて
おかしくて仕方がなかった。
上機嫌のビーデル、悟飯から言わせようと思っていたが
ついぽろりと自分から・・・

「私、悟飯君のこと好きよ!」

遂に言ってしまった。自分でもこんな突っかかり無く言えたことに
驚いたが、自然に出てきた一言だった。

ビーデルの告白を聞いて耳まで真っ赤にする悟飯。
どう答えて良いのか分からないようだ。
そんな悟飯の姿も今日は何故かかわいく見えてしまうビーデルだった。

「悟飯君もはっきり言って?私のこと・・・好き?」

ここまで来れば怖い者なんか無い!と言う感じのビーデル。
今まで素直に言えなかった言葉達が今ならスッと出てくる。
しかしそのビーデルの気持ちとは裏腹に
悟飯はとんでもない答えを返してきた。

「好きなんて・・・そんな・・・・・・わかりません。」

あっけに取られるビーデル。

(なによ・・・。ここまで私に言わせといて自分は何も言わないで
終わらせるつもり!?)

その瞬間、ビーデルの心の中で何かが崩れた。
同時に怒りもこみ上げてくる。

「分からないってどう言うこと!?信じられない!!
 私真面目に言ってるのよ?」

ビーデルはバッと立ち上がり、悟飯をにらみつける。
悟飯はビーデルの様子を見て初めて自分が口走ってはいけないことを
言ってしまったんだ、と言うことに気づいた。

「ビーデルさん、、落ちついて下さい。」

焦った悟飯はどうにかして立っているビーデルを座らせて、
なだめようと努力する。
しかしビーデルの怒りは頂点に達していた。

「落ち着いてなんていられるもんですか!!いくら何でもひどいわ!
 ちゃんと答えてよ!!何で分からないの!?」

申し訳なさそうに顔を下に向ける悟飯。
目線だけ上に上げビーデルの様子をうかがう。
さっきよりは落ち着いたことを確認すると悟飯は話し始めた。

「僕・・分からないんですよ・・・・。その・・・女の子を好きな気持ち
 とか・・・。今まで体験したこと無いんで・・・・」

右手で頭をかきながら時々ビーデルの様子を伺うような素振りを見せる。

「・・・ビーデルさんとは一緒にいて楽しいし、嫌いじゃないんです。
 でもそれが『好き』と言う気持ちなのか・・・僕にはちょっと・・・・・
  はは・・」

ビーデルはこの時後悔した。自分は何故分かってあげられなかったのか、
彼は彼なりに考えていたのに・・・どうして気づかなかったんだろう・・・。
しかし『好き』と言う気持ちが分からないなんて
悟飯らしいと言えば悟飯らしいのだが、盲点だった。

「悟飯君!!!!!」

そう言って勢いよく両手で悟飯の右手をつかみ、
自分の胸に手を当てさせた。

「悟飯君、ドキドキが手に伝わってくるでしょ?」

「あ・・・はい。」

ここまで来てもまだきょとんとしている悟飯。
呆れかえったビーデルは悟飯に言った。

「これが、私が悟飯君のことが好きだという印なの!」

「印・・・ですか?」

「そう、好きな人のことを考えるとドキドキしてくるのよ。」

「そういうものなんですか・・・。
そうか・・・それが『好き』っていう気持ちなんですね?」

やっと意図を理解できたのか笑顔を取り戻す悟飯。

「そう。」

悟飯の手をゆっくりとおろし、微笑み返すビーデル。
 しかしそこで、ビーデルは今までの自分の行動がかなり大胆であることに
 気づき、顔をボッと赤らめた。
 そのビーデルに気付き、悟飯も一緒に顔を赤くする。

  バンッ!

いきなり勢いよくドアが開いた。

「ビーデルさ〜〜〜ん!ビーデルさんのおっ父から電話だべ!」

チチが慌てて悟飯の部屋に入ってきた。
急に入ってきて驚いたが、どうやらチチは二人の行動に
不審は抱いていないようだった。

「え!?パパから??ヤダ・・何でここにいるって分かったんだろう?」

そういいながら立ち上がり悟飯の部屋を去っていく。
チチもビーデルを電話機の場所へ案内するために一緒に去ってしまった。
悟飯の部屋には・・・悟飯一人になってしまった。

すぐに悟飯はさっきのビーデルの言葉を思い出し、
ビーデルのことを考えながらそっと自分の胸に手を当ててみた。

「・・・・・・・・・・・・・・」

悟飯は無言で自分の心臓の音を聞いている。

「兄ちゃん、何やってるの?」

悟飯の部屋の窓の外から悟天がのぞいている。

「な、何やってるんだよ、悟天!トランクス君は?」

悟天の急な登場に驚きと焦りを隠せない悟飯。

「今かくれんぼしてるんだ。僕が鬼なんだけど・・・
トランクス君見つからないんだよ〜〜!」

口をとがらせてつまらなそうに言う悟天。

「それより兄ちゃん。ビーデルのお姉ちゃんとはどう?」

「ど、どうって?」

さっきほどからビーデルのことを意識してしまったのか
いつも通りに答えられない。

「キスとかした?」

「!!!!!!!!」

平然と言う弟に対して動揺する兄。普通の兄弟なら逆のはずなのだが・・・。
まさか、悟飯も自分の弟からこんな言葉が出るとは思わなかったのだろう。

「な、何言ってんだよ、悟天!子供がそんな言葉言っちゃいけないよ!」

一生懸命大人ぶろうとする悟飯だったが、
落ち着きの度合いから言って完全に悟天に負けている。

「トランクスくんが言ってたよ。キスの一つ位してあげたほうが
  ビーデルのお姉ちゃんも喜ぶってさ。」

「こ、こら、悟天!!それ以上言ったら怒るぞ!!」

そう言いつつ顔には全く迫力がない。

 ガチャ!

悟飯の部屋のドアが開き、ビーデルが戻ってきた。

「じゃあね、兄ちゃん頑張ってね!!」

悟天はまた同じ台詞を残して走っていってしまった。

「あら?悟天君、どうしたの?」

「いや、なんかトランクス君とかくれんぼしてるみたいで・・・
なかなか見付からないみたいで・・・はは・・・・」

去ってしまっていった悟天の代わりに答える悟飯。

「ごめんね、私もうそろそろ帰らなくちゃ。また事件が起きたらしいの。
今日時計型トランシーバー家に忘れて来ちゃってさ。
パパが友達の家に電話かけまくっちゃったみたいで・・・」

「そっか、残念でしたね。また来週にでも・・・・」

「そうね。」

「僕、送りますよ。」

「いいわよ、大変でしょ、遠いし・・あ、でも家の外まで送ってもらおうかな?」

「わかりました。」

素直に引き受ける悟飯。悟飯の部屋を出て、二人並んで廊下を歩く。
台所を通過しようとしたときに不意に声を掛けられた。

「あれ?ビーデルさんもう帰るだかぁ?」

夕食の準備をしているチチだった。

「はい、事件が発生したみたいなので・・・」

「そうかぁ、残念だべ・・・。また今度来てくれよ!」

「はい、ありがとうございます。お邪魔しましました。」

礼儀正しく挨拶をして玄関に向かう。
玄関のドアを開け、外に出る。夕日をバックに二人並ぶ影。

「ホントに今日はありがとう。」

「はい・・・」

いまいち返事に身の入らない悟飯。

(悟飯君の気持ち、とうとう聞けなかったな・・・・。)

どうやらビーデルもまだ納得がいかないようである。
しかし、これ以上聞いたらいけないような気がして
敢えて聞いていない。
いつか自然に言ってくれるその日まで、ビーデルは待つつもりだ。
ビーデルはしっかりとリュックを背負いなおし、
舞空術で数十センチ浮いた。それはすぐに帰ることを示していた。

「じゃぁね、また明日、学校で!」

ビーデルが飛び立とうとしたその時だった。
いきなり悟飯が呼び止めた。

「ビーデルさん、僕ビーデルさんのことが好きみたいです!」

あまりの衝撃的な言葉にその場で固まるビーデル。
舞空術で浮いてることも忘れ、一瞬にして力が抜け
気づいたときには地に足が着いていた。

「悟飯君・・・・・?」

「ビーデルさんと居るとドキドキするんです。
これって『好き』っていうことなんですよね?」

「・・・うん!」

ビーデルは素直にうなずき、悟飯に笑ってみせる。
また悟飯もビーデルの反応を確認するとニコッと笑って見せた。

「はは、でも悟飯君らしいや!何でも方程式に当てはめちゃうんだモン!」
 
(方程式に当てはめてばっかりじゃ、勉強は出来ても
 こっちの方はてんでダメなのよ!)
 
そんなことを思いながら、
『やっぱりこの人、好きだな』
と改めて自分の気持ちを確認した。
 
そしてそんな悟飯を相手にさらに話を続けるビーデル。

「でもね、悟飯君、『ドキドキ』って他にもたくさん味わい方があるのよ。」

「え?他って・・・??」

ちょっと照れたように上目で悟飯を見上げる。
案の定、悟飯には全く分かってない。
それから悟飯の右肩には左手を、左肩には右手を乗せ手に体重を掛け
体を浮かせた。そして悟飯と同じ高さにまで顔が達したことを確認すると
ビーデルは自分の顔を悟飯の顔に近づけた。

すると突然悟飯の方が顔を近づけてきてビーデルにキスをした。

(えっ?)

思いも寄らなかった出来事にビーデルは驚く。
2.3秒で二人の顔が離れる。

「・・・・・・・・」

ビーデルは顔を真っ赤にしている。
悟飯の方を向けない。

「僕、ビーデルさんが好きです!」

ビーデルはさらに顔を真っ赤にし、恥ずかしながらも
やっと両思いになれたのだという喜びで一杯だった。
悟飯も言ってから照れてしまったのか、
うつむいている。
お互い、顔は合わせられなかったけど、
気持ちは繋がったことを実感した。

しばらく沈黙が続いた。

「じゃぁ、また明日ね!」

その沈黙を最初に破ったのはビーデルだった。
顔は合わせてないものの、悟飯にはしっかりと伝わったようだ。

「そうですね、気をつけて下さいね。」

ビーデルは再び舞空術で浮かび上がり
そのまま何も言わずに帰っていった。
ビーデルの姿が小さくなり、顔も見えなくなった・・・
しかし、悟飯は、その時ビーデルが振り返っているように見えていた。

「・・・・勉強会 、またしましょうね。」

 そう呟いて、悟飯はビーデルが見えなくなるまでその場で見送っていた

 

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はい!とっても少女漫画に有り気なお話でした!(笑)
コッパズカシ〜〜〜〜(>_<)
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