「うわあぁぁぁぁぁ!!」

地べたに座り込み、泣き喚く悟空。
チチもその横で頭を抱えて座りこむ

「オ・・・オラだってどうしてこんな事になったかわかんねぇよ・・・・」

パオズ山の一件の家に、異様な雰囲気が流れる。

 

MERRY COUPLE(1)

事は少し遡る。
時刻は夕方。西の空が赤く染まり、赤を紫が包み込もうとしている。
カラスが鳴きながら空を飛び、なんだか趣のある情景だ。

「よ〜し!悟飯!!今日はこの辺にして家に帰ろうか!!それにオラ、もう腹が減って
 修行どころじゃねぇや!ハハ!!」

「はい!お父さん!!」

悟空と悟飯は、未来から来たトランクスが、3年後に恐ろしい人造人間が訪れると
告げた日から、毎日パオズ山や、時には少し離れた荒野に赴き、その時に備えて
修行をしていた。よくピッコロとも一緒に修行もしたりしているのだが、
今日はピッコロは一人で修行をしているらしくパオズ山には姿を現さなかった。

「行くぞ悟飯!」

「はい!」

そう言って舞空術で、紫がかった空へと飛び立とうとした瞬間、

ぐぎゅ〜るるるる・・・・・・・・・・・

空へ飛び立った悟飯が大きな音に気がつき、横を向いてみると、一緒に飛び立ったはずの悟空が居ない。
下を向いてみると、悟空が頭を掻きながら笑っていた。

「わりぃ!!悟飯!!オラもう、腹が空き過ぎて家まで待てねぇや!!舞空術なんて使ったら
 もっと、大変なことになっちまう!」

「・・・お・・・・お父さん・・・・・・」

ちょっと困った顔をして再び悟空の傍に降り立つ悟飯。
えへへ〜、と悟空は相変わらず笑っている。

「どうするんですか?僕がここに夕飯持ってきます?」

「いやあ〜〜、オラそんなに待てねぇよ〜〜〜。」

「え?じゃあどうしようもないじゃないですか!」

そう悟飯が尋ねると、悟空は一つの方向を指差した。
悟飯がその方向を見てみると、見なれない、一つの木があり、枝には実がなっている。

「ええ!?アレを食べるんですか!?・・・・・・・・でも、あの木は見たことありませんし・・・・・・
 もし、毒だったらどうするんです?お母さんにも得体の知れないものは食べるなって
 言われてるじゃありませんか。」

「でもよ〜〜毒でもなんでも、オラこのままじゃ腹減り過ぎて死んじまうよ〜〜〜!」

側から聞いていると、まるで母親とダダをこねる子供のような会話だ。

「と、いうことで、オラちょっくらあの実を食べてくるわ!」

そう言うと、悟空はもの凄いスピードで名前も知らない木の元へと走っていった。

「・・・あんなスピード出せるなら家にも着けるんじゃ・・・・・・・・・」

悟飯の呟きも、もう悟空の耳には入らない。
悟空は既に実をもぎ取り、目を輝かせてその実を見ている。

「うは〜!!美味そうだなあ!!毒が入ってそうにも見えねえし、まあ入ってたとしてもオラ
 の腹なら平気だしな!!いっただっきま〜す!!!」

パグッ!!
リンゴくらいの大きさの実を、大口をあけて悟空はかぶりつく。
思ったより実は水分が多く、かぶりついたその間から、汁が零れ落ちる。

「・・・う・・・・・うっめぇ〜〜〜〜〜〜!!!」

満面の笑みを浮かべる悟空。次の一口でその実を全て口に含み、
そして次から次へと実をもぎ取って食べていく。

「・・・・っか〜〜〜〜!!おい!!悟飯!!これめっちゃうまいぞ!!おめえも食ったらどうだ!」

「え・・・・、でも・・・・お母さんが夕飯作って待っててくれてるんですよ?」

「なにも腹いっぺぇ食えとは言ってねぇだろう?ちょっと食ってみろよ!!」

「・・・・う・・・うん・・・・・・。」

悟飯も口には出さないものの、お腹はかなり減っていたため、悟空の誘惑(?)に乗ってしまった。
最初は、じっと訝しげに手に渡された実を見ていた悟飯だったが、思いきって食べてみると
見る見ると表情を明るくした。

「お・・・・おいしい!!!」

「だろ??へへ・・・・・こりゃいいめっけもんしたな!」

そして、しばらく実を食べていた二人だったが、悟飯がはっと我にかえり悟空に言った。

「お・・・お父さん!!そろそろ帰らないとお母さんに怒られますよ!?
 それに、このままじゃこの実を食べ尽くしてしまいますよ!」

「お、そういやそうだな。チチは怒るとこえぇもんな〜〜〜、よし!帰るか!・・・・・と、その前に・・・・・・」

そう言うと、悟空は4・5個実をもぎ取った。

「お父さん?帰るんじゃないんですか?」

「え?いやぁ、この実うめぇからよう、少し持って帰ってまた後で食おうと思ってよ!」

「・・・お母さんにバレても知りませんよ・・・?」

そして二人はようやくの事、その場を後にし、我が家へと飛び立っていった。

 

 

 

 

 

「あ〜〜〜〜〜〜!!腹いっぺぇだあ!!それにしてもチチの飯は何度食ってもうめぇよな〜〜!」

バフンと寝室のベットに横になる悟空。
あれから家につき、帰りが遅い、とチチに少し怒られたものの、食事にはありつけ
さっき、実をあんなに食べたとは思えない量の食事をした悟空であった。

「・・・・・ん〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・。」

しかし、夕方食べた実のことが気になったらしく、ムクリとベットから身を起こす。
そして、今夕飯を食べたばっかりだというのに、昼間のことを思い出し涎を垂らす。

「あんなおいしい実は初めてくったよな〜〜・・・・・・・はあ・・・・・もう一度食いて〜〜!」

自分がもう一度その実を食べているところを想像し、またもや口元が緩む悟空。
と、その時、悟空は自分がその実を持って帰ってきていたことを思い出した。

「そうだ!!たしかチチに見つからない様に屋根のところに隠してきたんだっけ!」

そう言いながら、悟空はチチに気付かれない様、忍び足で玄関から外へと出ていった。

「えっと・・・・・あそこら辺だったかな?」

ジャンプをして、屋根の上へと飛び、目標の地点へと着地する。

  ガタン

「!!!」

降りたった瞬間に、少し音が鳴ってしまった。

(マズイ!!気付かれたかなあ・・・?舞空術で飛んだ方が良かったかも・・・)

慌てて、額に汗を流し、玄関の方を見つめる悟空。しかし聞こえてくるのは
夜の静寂の中に鳴く梟の声だけで、他は何も聞こえない。

(・・・・よかった・・・・気付かれてないみたいだな・・・・・・・)

ホッと胸を撫で下ろし、体の力を抜く悟空。そして屋根の上に無造作に置かれている
あの木の実を見つけると、音を立てないように掛けより、実を取り上げ、口に含んだ。

(う・・・・・・・うっめ〜〜〜〜!!チチの飯も最高にうめぇけど、これもなかなかのもんだな!!)

顔をほころばせ、幸せそうに実を頬張る悟空。あたりには悟空の実を食べる音と
やっぱり梟の鳴く音と、風に揺らぐ木々の音だけ。
チチにも見つかりそうにないな、と安心しきっていたその時だった。

   スタッ!!

何かが背後に降り立つ音。

(ま・・・・・まさか!!??)

恐る恐る後ろを振り返ってみると、そこには眉間に皺を寄せたチチが居た。

「悟空さ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜?????」

「チ・・・・チチ!!!!」

思わす尻餅をつき、後退る悟空。

「へ・・・・・・へへ・・・・・・・・。」

悟空の右手に持たれているもの気がつき、ますます表情を険しくするチチ。

「!!なんだべそれは!!!悟空さはそんなにオラの作る飯が嫌いなんだべか!?そげなもんまで屋根にかくして!!
 いつもこうやって、オラの飯のかわりに食ってたんだか!?」

「・・・・ち・・・ちげぇよ・・・!!今日はたまたま・・・・・・・!!」

「今日だけだろうと、オラの飯を腹いっぱい食わずに、ちげぇもんを食ってたことには変わりねえべ!」

ヅカヅカと、悟空に攻め寄るチチ。悟空もそれにつられて、しかしいまだに実を口に含みながら後退りをしている。
遂に足元が、屋根の際まで来てしまう。

「わ・・・わ!!待て!!待てってばチチ!!あぶねえって!!!」

「言い逃れはするんでねぇ!!!!」

チチはもう既に屋根の際まで来ているということに気がついてない。

「そうじゃなくて・・・・!!・・・・・うわああ!!」

「!!!!!」

チチに攻め寄られ、そのまま屋根から落ちる悟空。チチもバランスを崩し
一緒になって落ちる。

「わわ!!」

悟空もチチも、体制を立て直し、着地しようとする。二人とも武道をやっている為、その位は朝飯前・・・・・
・・・・・・・・・・・・・のはずだった。

体制を立て直そうとした瞬間、偶然にも二人の唇が重なる。

『!!!!』

そのことに驚いた二人はそのまま体制を取る事が出来ず、
地面へと落ちていった。

 

 

次へ

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どうしてもこういう話かいてみたかったんです(^^;
それにしても久しぶりにこんなに長く(←長くないって!)かいたかも・・・・(死)
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のべるるーむへ

ほーむへ