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MERRY COUPLE(3)

「うっぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

悟空の体のチチ(今後は《チチ》)が、思いも寄らぬ出来事に大声をあげる。
その声の大きさは、家の中にいながらでも山から山彦が帰ってきそうなほどだ。

「!!!!!!!!」

夢の中、スヤスヤと眠っていたチチの体をした悟空(今後は《悟空》)が、突然のその絶叫に
一気に現実へと引き戻され、ガバッとベットから体を起こす。

「な・・・・・・・なんだなんだ!?」

あたりをキョロキョロと見渡す。
すると、ドアの近くのドレッサーの前に誰かが尻餅を着いて倒れていることに気がついた。

「?なんだおめぇ・・・・・?」

訝しげにその人物に近づいていく。
そして近づいていくにつれ、今までベットの影で見えなかったその人物の顔が見えてきた。
するとそこには、”自分”が居た。

「おお!!??」

自分の姿をした人物に驚き、目を見開き、一瞬固まる。
しかし流石は《悟空》。次の瞬間には持ち直し、その人物に問いかける。

「・・・・おめぇ誰だ?なんでオラの格好してるんだ・・・・・・・?」

その言葉に、今までドレッサーの方を向き、放心状態にあった《チチ》が
《悟空》の方に首を傾ける。

「ご・・・・・・・・悟空さんけ・・・・・・・・?」

「・・・・・・・・・?そうだけど・・・・・・」

「悟空さ!!!!!!」

《チチ》はその、自分の姿をした人物が、夫である悟空だと確認すると、
立ちあがり、バッと《悟空》に抱きついた。

「・・・!?お・・・・おい!!なんだってんだよ一体!?」

いきなり”自分”に抱き付かれ、困惑する《悟空》。

「お・・・・オラだよ!!!おめぇの嫁のチチだべ!!!」

「・・・・ち・・・・・チチィ〜〜〜〜〜!?」

その言葉を聞くやいなや、《悟空》は抱きついた《チチ》の体を離し、
マジマジとその顔を見つめた。

「・・・な・・・・なんだっておめぇ・・・・オラの格好なんかしてんだよ・・・・・・」

すると《チチ》は、《悟空》の鼻の先の指を当てて答えた。

「その言葉・・・・・そのまま返すべ!どうして悟空さはオラの格好をしているんだべ!」

「・・・・へ!?」

《チチ》の言葉により、初めて《悟空》はその体を眺めた。
服は昨夜チチが来ていたチャイナ服のままだ。

「・・・・・・・・」

ポンッ。

《悟空》は自分の胸を叩いた。

「なるほど・・・・・・・こりゃホントにチチの体だぁ・・・・・・・」

「ご・・・・・悟空さ――――――――!!!!!!おめぇどこさ叩いてんだべ―――――!!!!!」

慌てて《チチ》が悟空の手を”自分”の胸から退かす。

「な・・・なんだよ〜、別に変なことはしてねぇだろ〜〜〜〜」

別に疚しい気持ちで触ったわけではないので、《悟空》は不思議そうな顔をした。

「思いっきりしただべ!!!」

「そうか〜〜?」

顔を赤くしながら訴える《チチ》。
しかし、結婚して何年も経つというのに・・・・・・・・・。

「・・・・・・・・・悟空さ・・・・・・・おめぇなにかしたのけ?」

「へ?なんでだよ。」

「こんな事になったのも悟空さが何かしたからに決まってんだベ!!!
 悟空さはいっつもなにか変なこと抱えてくっからな!!!」

ズズイと《悟空》に攻め寄る《チチ》。
《悟空》は少し後ろに下がりながら反論する。

「で、でもよう。昨日はオラ悟飯と修行してただけで何にもしてねえよ!」

「ホントにそうけ!?」

「ホントだって!!!」

「ホントにホントに!?」

「ホントのホントだって!!」

「・・・・・・・そうけ。」

まだ少し疑わしげな感じだが、《チチ》は《悟空》の言葉を信じることにした。
そして、今度はベットにボスンと腰をかけ、頭に手を当てた。

「あ〜あ・・・・・・それにしてもどうすんだべ・・・・・・・どうしてこんなことになっちまったかはわからねぇし・・・・・」

「ん〜〜〜・・・・・・別にオラはかまわねぇけど。チチの体だしさ。」

「な・・・・なに言ってるんだべ!!・・・そのままじゃあ悟空さ、今よりずっと弱くなっちまうんだぞ!?」

そうは言うものの、《悟空》の言葉に顔を赤らめているチチ。

「え・・・・・ええ!?そ・・・それはちょっと困るな・・・・・・・・。」

《チチ》の言葉で、ようやく《悟空》もことの重大さを理解し、慌てる。
そして二人は顎に手を当てたり、腕を組んだりと 各々のポーズを取り、考え込む。

「!・・・なあチチ。そういやオラ、いつの間にベットで寝てたんだ?」

「へ?ああ・・・・オラ達、昨日屋根から落ちちまっただろ?それでオラも悟空さも気を失っちまったらしくて
 悟飯ちゃんが運んでくれたんだべ。」

「屋根からおちて・・・・・・・・・・・?・・・・・・あ!」

《悟空》はなにか閃いたように、今まで顎に当てていた手をはなす。

「あ!」

《チチ》も《悟空》のその様子を見、何か思いついたような声を上げる。

「もしかしたらオラ達、屋根から落ちた衝撃で入れ替わっちまったんじゃないのか?」

「きっとそうだべ!!」

元に戻れる兆しが見え、《悟空》も《チチ》も表情を明るくする。

「・・・・・とりあえず外に出てみるけ?」

「そうだな。」

そう言って《チチ》はベットから腰を上げ、《悟空》に先立ち、寝室の外へと出ていこうとした。

 

 

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