MERRY COUPLE(5)

「・・・・ホントに悟空さの腹は恐ろしいだべな〜・・・・・・」

《チチ》は目の前に積み重ねられている自分の食べた皿の山を見上げ、
お腹をポンポンと叩いている。

「・・・だ・・・だろ?・・ウプ・・・・」

対して《悟空》は加減を知らずに食事をいつも通りにお腹に詰め込んだものだから、
気持ち悪そうに、口を押さえている。
その傍らでは悟飯が《悟空》を心配そうに見つめている。

「はあ〜あ・・・ホントにサイヤ人の腹はどうなってるんだべ!」

そう愚痴をこぼしながら、《チチ》は山の様に積み重ねられた皿を、少しづつ持って行き、
そして何度かに分けて洗い始めた。

「オラも・・・チチの腹の小ささにおでれえたぞ・・・・・・うぇ・・・」

「その方が経済的でいいんだべ!」

またもやエプロン姿でカチャカチャと食器を洗い始める《チチ》。
しかし、その途中で手を休め、ハア、とため息をつく。

「・・本当にオラ達、これからどうしたらいいんだベ・・・・・・・・。屋根から落ちたって元に戻らねえしよ・・・・。」

「気を失わねえとだめなんかな?」

「・・・でも気を失うなんて早々できねえべ。」

「そういえば、どうしてお母さんとお父さんは屋根なんかに上ってたんですか?」

牛乳が入ったコップをカタンとテーブルに置き、悟飯が尋ねる。
その問いに、《チチ》は再び洗い物を始め、食器を置く際に感情のこもった大きな音を立てながら答えた。

「・・・悟空さが屋根の上でコソコソと何か食べてたんだベ!夕食のすぐ後だってのによ!」

「・・へ・・・へへへ・・・・それでチチに見つかっちまってさ、屋根の端まで攻め寄られて
 バランス崩して二人して落ちちまったんだ。」

《チチ》の様子を覗い、汗を浮かべながら説明する《悟空》。
すると、悟飯が少し首を傾げる。

「・・・・・ねえ、お父さん、お母さん。お父さんもお母さんも武術をしているのに、
 屋根から落ちたとき受身も取らずに、気を失うなんて変じゃありません?
 まあ、屋根が低かったということもあるかもしれませんけど・・・・・・・・・」

「確かに・・・・・・・・考えてみればそうだなぁ・・・・・・」

「オラはともかく、悟空さが受身を取れなかったってのはなぁ・・・・・」

顔を見合わせる《悟空》と《チチ》。
と、二人とも何か思い出したような表情をとり、悟空はポンと手を叩く。

「そういやオラ、チチとキスってやつしちまって驚いてそのまま落ちちまったんだ!」

「そうだべ!確か、落ちたときに体制立て直そうとしてよ、そのとき偶然・・・・・・・・」

言葉の途中で少し顔を赤くする《チチ》。

「!もしかしてそのキスってやつか?入れ替わっちまった原因は!」

「・・・・・そんなことで入れ替わっちまってたら世の中大変なことになっちまうべ・・・・・・」

「じゃあキスってやつしながら屋根から落ちちまったのが原因か?」

「・・・・・さあ・・・・・・どうだべかな・・・・。・・・・・・そのまま落ちたんじゃ前歯が痛そうだべ。
 それに、オラは着地した時は・・・キ・・キス・・はしてなかったと思うんだべ。」

「う〜ん・・・・・・・・」

イスを前後に揺らしながら、珍しく《悟空》も考えている。

「と・・・・・とりあえず、今は思い当たる事は一応全てやっておいた方がいいと思うのですけど・・・・」

遠慮がちに悟飯が言う。
すると《チチ》が洗い物をしながら首だけを悟飯の方へ向けた。

「思い当る事って・・・・・キ・・・・キスするのけ!?」

「・・・は・・・・はい。お父さんもお母さんも夫婦なんですし・・・・特に支障はありませんし・・・・・・」

悟飯は、言いながら下を俯き、少し赤くなっている。
《チチ》もまた、赤くなっている。

「そ・・・そりゃあ支障はねえけどよ・・・・・・・・・」

《悟空》の方をチラッと見てみる。

「?オラも別に構わねえぞ?」

照れた様子もない《悟空》。

(まあ・・・・構われちゃ逆におかしいべか・・・・・)

そうは思うものの、やっぱり顔が赤いチチ。
そんな《チチ》を見、悟飯は《チチ》と《悟空》の顔を交互にみると、ガタンと席を立ち、居間を後にしようとした。

「!悟飯ちゃん、何処さいくべ?」

「え?あ・・・・・いや・・・僕がいるとお母さん気になるかな、と思って・・・・・・・」

「!」

そう言って、悟飯は居間を出ていった。

「ご・・・・・・悟飯ちゃんったら!」

増々顔を赤くする《チチ》。
しかし《悟空》と目が合うと、その様子を隠すかのように再び洗い物を始める。

 

「チチ〜〜〜おめぇ何照れてんだぁ?キスってやつするだけだろ?」

      ・・・・・・・コンコン

「べ・・・・・別に照れてなんかいねぇべ・・・!」

「じゃあ、いいじゃねえか!それで、もしかしたら戻れるかもしれねえんだろ?」

      ・・・・・・・コンコン

「だ・・・だから別にしても・・・か・・・構わねえべ!」

《チチ》がそう言うと、《悟空》はイスから立ちあがり、《チチ》の方へと向かっていった。

「ご・・・・悟空さ・・・・・・・」

      ・・・・・・・コンコン

「・・・・・なんか自分にキスするみてぇで変な感じだな・・・・」

「フフ・・・・オラも自分にキスされるみてぇで変な感じだべ」

《チチ》が恥かしそうに笑う。
・・・・・ま・・・まあ側から見ていると、チチが悟空に迫っていることになるのだが・・・・・・。

洗い物をしている《チチ》は首だけ《悟空》方へ向ける。

そして、二人の唇が重なった・・・・・・・・・・・

         ガチャ!!

『!!!』

突然、玄関のドアが開く。キスをしたまま固まる二人。

「・・・・・・す・・・・・・すまん・・・・・・しゅ・・・修行の誘いに来たのだが・・・・・・
 ドアを叩いても、出てこなかったので・・・・・・・・・・・・・」

そこには二人を見て、マズイ時に来てしまったのかも、と焦るピッコロがいた。

「ピ・・・・ピッコロ・・・・・・」

「ピッコロさ・・・・・・・」

慌てて二人は体を離す。

「じゃ・・・・・邪魔をしたな・・・・・修行は今度にするか・・・・・・」

      バタン!

そうしてピッコロは今しがた来たばかりだというのにドアを閉めてしまった。

「・・・・あらま〜〜〜・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

そして後には頭をポリポリと掻いている《悟空》と、茹蛸のように真っ赤になってしまっている《チチ》が残された。

 

 

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チチが純情すぎたか・・・・?(笑)
子供もいるというのに(笑)
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