ちょっと奥さん!(1)

   「はぁ〜〜〜〜・・・・・すっかり寒くなってきたわね〜〜・・・・」

   「何処行ってきたんだ?」

   「ショッピングよ。」

   手を擦り合わせながら、ブルマが早足で居間へと入ってくる。
   もうすっかり季節は秋。つい最近までまだ暑さが残っていたというのに、
   季節の移り変わりというのは早いものである。
   そして居間ではベジータがTVを付けながらソファーに座っていた(見ているのかは謎)。

   「は〜あったまる〜〜〜〜!!」

   急いで用意したホットコーヒーを口に含み、幸せそうな顔をするブルマ。

   「・・・・そんなに寒いか・・・・・・?」

   「寒いわよ〜〜!もう秋だなんて信じられないわ!」

   「お前がただ単に寒がりなだけだろう・・・まったく。騒ぎ過ぎだ・・・・」

   「まあ!失礼ね〜!そりゃあアンタは無神経なんだからいいでしょうよ!でも私はデリケートなの!」

   そう言いながら、ドカッとベジータの横のソファーに座る。
   そして、買ってきたばかりのお菓子の袋を開け、コーヒー片手にテレビの方へと目をやる。

   「・・・・・・・・何見てんの・・・・・ベジータ。意外ね〜・・・・・」

   テレビの画面にはチョット小太りのおばさんと、若い女の人がいた。

   『はい!ここで先程用意した調味料を加え・・・・・・・』

   『先生、ここでのコツは・・・・・・・』

   ・・・・・どうやら料理番組らしい。

   「ち・・・違う!たまたまこのチャンネルが映っていただけだ!」

   ベジータが慌ててチャンネルを変えようとする。

   「別にいいじゃない。料理番組見てたっておかしい事じゃないじゃない。
    ・・・・あ!もしかしてあんたお腹減ってるの!?」

   お菓子のクッキーをかじりながらベジータを少しのぞき込む。

   「・・・・・・・・・オ・・・・オレは・・・・!」

        ぐぎゅ〜るるる・・・・・・

   ブルマの言葉を否定しようとした矢先に、口よりもはやくお腹が答えてしまった。

   「な〜んだ!早く言いなさいよ!あ・・・・・でもまだ夕飯には早いわよね〜・・・・
    まあコレでも食べて夕飯までやり過ごしなさいよ。」

   そう言ってベジータにクッキーを差し出す。
   最初は躊躇していたベジータだったが、腹には勝てないらしく、ブルマのクッキーを受け取った。
   しかし、ベジータが一枚一枚味を噛み締めながらお菓子を食べるはずもなく、
   ブルマが買ってきた全てのお菓子を、あっと言う間にたいらげてしまった。

   「しっかし毎度毎度思うけど、良く食べるわね〜〜・・・・・・」

   自分のお菓子を食べられてしまったことよりも、その食べっぷりに新ためて関心を持つブルマ。

   「サイヤ人の腹は地球人の腹とは出来が違うんだ。」

   「でもあまり誉められるものでもないわよね〜〜・・・・」

   「何か言ったか・・・・・」

   「い〜え〜!何も言ってないわよ〜〜!・・・・それにしてもアレだけ食べるのに
    太らないっていうのは羨ましいわよね〜〜〜〜!」

   「フン!貴様ら地球人とは出来が違うと言っているだろう。」

   「あら!何よ!誉めてるってのにその言いぐさはないでしょう!?・・・・・まあいいわ。」

   こういう些細な言い合いはよくあるため、ブルマもまた何事も無かったかのように、居間を後にした。

 

   (はぁ〜それにしてもいくら食べても太らないっていうのはいいわよね〜〜!)

   廊下を歩きながら、先程のベジータの言葉を思い出す。

   (・・・・・そういえばこの頃体重量ってないわね・・・・このごろ間食とってばっかだし・・・
    大丈夫かしら・・・・・・・)

   足がふと止まる。

   (ま・・・まあこのプロポーションを長年保ちつづけてきた私ですもの!あのぐらいの間食で
    太るなんてないわよね!体重計に乗るまでもないわよ!・・・・・多分・・・・・・・)

   「・・・・・・・・・・・・・・」

   しかし、思っていることとは裏腹に、ブルマの足は脱衣所の体重計の元へと向かっていくのであった。

 

 

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