
| 親子丼バカ〜ゴハン抜き〜(1) |
中からかなり怒気を帯びた女の子の声が聞こえてきた。 「!!!????」 あまりのその声の大きさに、悟天は驚き、思わず後ろへ倒れしりもちをついてしまった。 また、外に漏れたその大きな声に、チチも驚き、そして悟空も目を覚まし、 「なんだなんだ?」とドアの方へとかけていった。 「なんだ!?何したんだ悟天ちゃん!?・・・あ、ドアあけちまったのけ!?」 「なんだぁ?しかも聞き覚えのある声だったぞ〜?」 人の面談を盗み聞きするなど、マナー違反にも程があるが 悟空もチチも、こんな場所でさっきのような声を出す声の主に対する興味の方が勝り、 上から悟空、チチ、悟天となるような、まさにトーテムポールのような恰好で ドアの隙間から中を覗くことにした。 「あ・・・・あのぉ・・・・お二人とも・・・・落ち着いてください;」 遠慮がちに、冷や汗を垂らしながら発言するのは悟飯のクラスのホームルームティーチャーである。 しかしそんな先生の言葉にも、向かい側にいる一組の親子は動じず、睨み合いを続けている。 「なんでよ!なんでスンラデア大学に行っちゃいけないのよ!!!!」 「なんでって・・・・オマエ前まではチャイネトーア短期大学って言ってたじゃないか!!! オレは聞いてないぞ!!志望校変えたなんて!!!」 「別に志望校変えたからってなんなのさ!今こうして、現時点での志望校をパパは知ったんだからそれでいいじゃない!」 「いや!よくない!!しかもなんだ!?ビーデル! オマエは文系志望だったじゃないか!!なのにいきなり理系志望にかえるだなんて・・・・・」 そう。もう読めていたことかもしれませんけど、ここにおはしますはサタン・ビーデル親子。 「あんらま、ビーデルさんだったのけ!」 「喧嘩してるね〜、ビーデルのお姉ちゃんとサタンのおじさん・・・・」 「なんでこんなところで喧嘩なんかしてるんだ・・・・?」 人の面談の盗み聞き・・・・いまだ現在進行中です。 「・・・・わかった!!!あの男だな!!!あの孫悟飯とかいう男がそこの大学にいくんだろう!! だからそのスンラデアとやら言う大学に志望を変えたのだな!?そうだろう!?」 「な!!・・・な・・・・・なんでそこで悟飯くんの名前が出て来るのよ!!! だいたいパパはいつもそう!!!なにか私が自分に気に入らない事をすると直ぐに悟飯君の名前を出す!! パパなんて最低よ!!!!!」 「(がび〜〜〜〜〜〜ん!!!!!)」 娘の一言は効くものですね。 サタンのような過保護?溺愛?親バカ?ならばなおさらでしょう。 「あ、あの〜〜…ところでビーデルさん。志望校は……?」 「スンラデア大学ですっっ!!!もう決めたんですっっ!!!!」 隣ではサタンが放心状態。まったく耳に入らないようです。 「でもね、ビーデルさん…やっぱり親の意見も少しは聞いてあげないと…」 「先生は、私本人の意思よりパパ…父親の希望を尊重するって言うんですか!!??」 キッと睨むように、先生を見るビーデル。 「あ…い、いや…そういうワケでもないん…だけどねぇ…」 女子生徒一人にビクビクする先生。 だらしないったらありゃしませんね。 しかしそれもそのはず。 ビーデルは格闘技の世界チャンピオンであるMr.サタンの娘なのですから。 怒らせたら何をやらかすか…先生も予想はつくはず。 「あれ〜…ビーデルさんとこも大変だべな〜」 「僕よくわかんない…」 「オラも…」 あらあら。孫一家の覗き見はまだまだ続いているようです。 そこへ… 「な、なにやってるんですか−−−!?」 突然、三人の背後からひとつの悲鳴が上がった。 やっとこ悟飯登場。 自分は図書館から勉強して帰ってきたというのに 余りにも常識外れの家族の行動に思わず悲鳴をあげてしまった、が、 自分で自分の立場に気付き、とっさに自分の口を覆う悟飯。 さすが頭のイイ子は違います。 「あ…えと…そのぉ…これは、、だな…」 チチがしどろもどろしていると、 ガラッ 音を立てて目の前の教室のドアが開いた。 「あ、悟飯くん。」 「ビ、ビーデルさん!?!」 「どうしたの?そんなに驚いて…」 (ま、まさかお父さんたちが覗いてのがビーデルさんの面接だったなんて…!!!) 悟飯は自分の家族の行為に対する恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になり、俯いてしまった。 しかしビーデルの口から次に発せられた言葉は、そんな孫親子の非常識さを非難する物ではなく、 極々普通の言葉だった。 「次、悟飯くん達よね?先生、待ってるわよ。」 「へ?」 予想していたものと異なる展開に思わずマヌケな声を出してしまう悟飯。 「あら?悟飯くんのところは家族皆で来ているのね。」 そう言って悟飯越しになにやら挨拶をするビーデル。 そのことを訝しく思い悟飯が後ろを振り返ると、まるで何事も無かったかのように 元居た席に戻ってビーデルに手を振っている悟空、チチ、悟天の姿があった。 ・・・一瞬にして席に戻るとは、流石孫親子。 「あ・・・う・・・うん!!そうなんだ!」 家族の行動に対して顔を引きつらせながらも、なんとか笑顔を作り、ビーデルに答える悟飯。 「そっか。じゃあ、私はこれで。」 三者面談をこれからに控えている悟飯を引き止める訳には行かないので、軽く言葉を交わし ビーデルは今だ放心しているサタンを引きずりながら帰っていった。 前へ 次へ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ |