うずらの卵  (1)

 

 

「兄ちゃん!トランクス君の家行こうよ〜〜〜!!」

全てはこの一言から始まった。



場所はカプセルコーポ。
この日、カプセルコーポには悟天、悟飯、ビーデルの3人が
訪れていた。

悟天の一言から始まり、偶然孫家に遊びに来ていたビーデルまで
悟天のわがままに付き合わされ、この場にいる事になる。

「わ〜い♪今日はたくさんいるね〜!!何して遊ぶ〜!?」

「そうだな〜。いつものあれなんかどうだ?悟飯さんもいるし
盛り上がると思うぜ?」

「あれ?」

「そうだよ、いつもやってるあ’れ’だよ。」

「あれ………」

頭を悩ませる悟天。
こういうとき頭の回転が遅いのが悟天の特徴。

「…対決ごっこ?」

悟飯が口をはさむ。

「そうそう!!でもなんで悟飯さんが知ってるの!?」

「悟天から聞いたんだよ。話してくれただろ?」

悟飯が悟天に視線を向け、優しく微笑む。

「…僕忘れちゃった〜えへへ〜。。」

「まったく〜、相変わらずだなぁ悟天は。」

悟飯とトランクスが口をそろえて言う。

「あら?そいうえばブルマさん達は…?」

会話が途切れると思わせたそのときにビーデルが言葉を発した。

「ママは今日悟天のママと出かけてるんだよ、なっ!」

「うん!!」

トランクスが顔をねじり悟天に同意を求める。

「で、パパは重力室で修行してるんだ、なっ!」

「…そうなの?」

静まり返りそうな空気の中、ちょうどタイミングよく(?)皆の視界の中にベジータが映った。

ベジータもこちらの視線に気づいたのか、一度立ち止まり、
方向転換をしてこっちに向かってきた。

「悟飯…付き合え!!」

そう言うとベジータの足は止まる暇もなく、
悟飯の服を引っ張り無理やり連れて行こうとした。

「ベ、ベジータさん!?」

さすがに温厚な悟飯もこのときばかりは焦る。

しかしベジータだ。
悟飯の問いに答えることなく、黙ってずりずりと引きずり、
もと来た道を再び引き返していった。

「ご、悟飯君!」

「兄ちゃん?」

「悟飯さん!?」

口々に彼の名前を口にするものの、気づいたころには
悟飯の姿は既に無く、残っていたのは悟飯を引きずった
跡だけだった。

「あ〜あ、、悟飯さん連れて行かれちゃった〜!!」

「どうするの?」

唯一親しい悟飯が抜けてしまった今、どうも強気で話す事の出来ないビーデル。

「…そうだ!!!!」

トランクスの脳裏にひとつの名案が思い浮かんだ。

「悟天…ここだけの話なんだけどな。」

悟天を呼び出し二人でこそこそ話をはじめる。
ビーデルの存在が完全に無視されている。

「ちょ、ちょっとあんたたちぃ〜!!なんなのよ!!」

遂に自分の立場に耐えかね、きつい口調で叫ぶビーデル。

「よし!行こうぜ、悟天!!」

「うん!!」

そう言うと二人は突然走り出してしまった。
慌ててビーデルもその後を追う。

「ちょっと待ちなさいよ〜!どこ行くのよ!?」

悟飯が連れて行かれてしまった今、このいたずらっ子
二人の面倒はビーデルに課せられた訳である。


やたらと広いカプセルコーポ。
そんな中を迷わずにすいすいと足を運んでいくトランクスと悟天。

そして三人の行き着いた先はブルマの研究室だった。
研究室の隅の方にあるひとつの乗り物。
ビーデルがやっとのことで追いついた時にその乗り物には
既にトランクスと悟天が乗り込んでいた。

「ちょっと…もう少しゆっくり走ってくれたって…いいじゃない….」

息を切らしながら思わずその乗り物に乗り込み、
手を付きホッと一息。

「あれ??このボタンなんだろう?」

悟天がほんの冗談のつもりで目の前のボタンを押す。

「お、おい!!悟天!!」

焦ってトランクスがストップをかけたものの、時は既に遅し。




ジジジジジジ・・・・・・

ビュウウ〜〜〜・・・・・・・

ボンッ!!!!!



奇妙な音が鳴り出し、その乗り物は急に飛び立ち
カプセルコーポの天井を突き抜け、
空の彼方へ飛んでいってしまった。




シュウウウウ〜〜〜

ガガガガガガガガ・・・

ゴトン!!!!


着地の音か?壊れているのではないかと思わせる雑音。
しかしどうやら到着したようだった。

ドアの一番近くいたビーデルが先頭を切ってドアを開け、
乗り物から降りた……

はずだった。


ドシン!!!


「いった〜〜〜い!!」

なんとその乗リ物は横向きになって着地していたのだ。
まだ未完成だったのか。それとも故障か。
どっちにしろ完璧な乗り物ではないことは確かだ。

張り切って踏み出したビーデルの足は見事にはずし、
その場でしりもちをついてしまったのである。

「よっと!」

人のふり見て我がふりなおせ。
ビーデルに続いて降りてきたトランクスと悟天は、ビーデルの失敗により
無事に降りる事が出来た。

「…それにしてもこの乗り物なんなのよ…」

ビーデルが打ったお尻をさすりながらトランクスたちに問う。

「タイムマシンだよ…。」

トランクスがぐったりとした表情で答えた。

      

 

     
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