うずらの卵 (終) |
| 恐竜の一件が落着した後、ビーデル達は孫家で夕ご飯を済ましていた。
「っかぁぁ!食った食った!」 食卓の椅子をギシギシと鳴らせながら自分のお腹を叩く悟空。 「おいしかった〜♪」 悟天やトランクスもそれぞれ満足そうな台詞を発する。
「もしかして…悟飯君たちのお腹ってブラックホールなんじゃないの?」 ボソッと呟いたのはビーデル。 「月 ……?」 暗い空に浮かぶひとつの月。 「いっけないっ!!!」 ビーデルはハッと何かを思い出したように席を立った。 「どうしたの?ビーデルの姉ちゃん。」 「大変よ、もう帰らなくちゃ!!!」 「ええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!?」 悟天とトランクスの声が見事にハモった。 「なんで〜なんでぇぇ〜!?もっと遊びたいよぉぉぉぉぉ!!」 まさにだだっこ。 「ダメよ!!もうこんなに遅いのよ!?あなた達の両親だって心配するでしょ!?それに悟飯くんだって………あ。」 「え…?」 思わずビーデルに反応してしまった悟天とトランクス。 「あっ、そっかぁ!」 トランクスがニヤリとして悟天に耳打ちした。 「(ビーデルさん、単に向’こ’う’の悟飯さんに会いたいだけなんだぜ、きっと!)」 「(そっかぁ♪なぁ〜んだ。)」 「(しょうがない、協力してやろうぜ。)」 「(うん!)」 こうしてだっだこ二人はなんとかおさまった。 そしてここに、別の単語に反応した人が約一名… 「悟飯ちゃんがどうしただべ!?」 やはり…この人でした。 「え?悟飯くん…?」 ビーデルはふと目の前にいる悟飯が目に入った。 「??」 きょとんとビーデルを見つめる悟飯。 「あ、そっか。」 どうやらビーデルは目の前にいる悟飯ではなく、向’こ’う’の悟飯のことを考えていたらしい。 「で、悟飯ちゃんがどうしたんだべ!?」 しつこいくらいに迫るチチ。 「あ〜…いえ、、ご、悟飯くんだって疲れちゃったかな〜?って……」 とっさにしてはなかなかの台詞である。 「そうだべな。今日は悟飯ちゃんも色々あったことだし、もうそろそろ寝かせねえと明日起きれなくなっちまう…」 「あの…じゃぁもうそろそろ失礼します。」 「そうだな、ホントは泊まってもらいてえくらいだけどな。」 チチがフフッと笑ってみせた。 「じゃぁ、帰るわよ、二人とも!!」 ビーデルは悟天たちの方に振り返った。 「は〜〜い♪」 二人も先ほどとは打って変わって元気よく返事をし、 「悟飯ちゃんも見送りするべ。」 チチが悟飯の手を引っ張って外に連れ出した。 孫家の前に立つ三人。 「ホントに今日は世話になったな。迷子の件といい、恐竜の件といい…」 「いえ、当たり前の事をしたまでです…」 「また遊びに来てけれ。悟飯ちゃんもすっかりビーデルさんたちになついちまったようだしな。」 チチが横下にいる悟飯をなで、しばし見つめた。 「はい、またきっと遊びにきます。」 「また一緒に遊ぼうね!悟飯くん!」 ハキハキと返事をする悟天とビーデル。 「ほら、悟飯もお礼いわねえとダメだぞ?」 悟空が腰を低くして、悟飯に向けていった。 「………」 「?どうした、悟飯ちゃん??」 下を俯いたままの悟飯の顔をチチが覗き込む。 「…うっ…うっ…」 「!!!!!」 そこにいる誰もが一斉にして悟飯に目を向けた。 「悟飯ちゃん…」 「悟飯・・・・・・」 悟飯は泣いていた。 「お兄ちゃんも・・・・・お姉ちゃんも・・・・・行っちゃ…ヤダァよ…」 悟飯は目の前のビーデルの足にしがみついた。 「悟飯ちゃん、わがまま言うでねえ!!」 チチがビーデルの足にしがみつく悟飯を離そうとするものの、 「悟飯くん…」 ビーデルは足元の悟飯の姿を見ると、ふわっと悟飯をもちあげた。 「泣かないで、悟飯くん〜。」 ポンポンと悟飯の背中を叩き、悟飯をあやす。 「うわ〜〜ん…うっ…ひっく…」 「また遊びくるから〜。」 「そうそう!また遊べるから!な?だから泣いちゃダメだぜ?」 尚も悟飯をあやしながら優しい言葉をかける。 「ホント!?」 パッと悟飯が顔を上げ、そしてビーデル、トランクス、悟天の顔を交互に見渡す。 「うん、約束する。」 「するする!」 「男に二言はない!・・・・なんつってね!」 ホッと安心したのか嬉しいのか、悟飯はまた顔をうずめて泣き始めてしまった。 「おにぃちゃ・・・・・おねえちゃ〜〜〜〜〜〜〜ん…う〜…っく…」 「あ〜あ・・・ビーデルさん、また悟飯くん泣かしちゃったぁ!」 「な〜んで私一人の責任なのよ〜!」 トランクスの言葉に苦笑しながら、 「…また、会えるよ。…12年後にね。」 ポツッと呟いた。 「あ。」 「え?」 ビーデルの手がチチの手にそっと触れた時…チチが声をあげた。 「あらららら・・・・・」 先に、トランクスが声を上げる。 「…あれ?……これって…」 間もなくビーデルも自分の洋服に何かついていることに気がついた。 「…あ…あの…ゴメンンサイ…」 その時、無事チチに渡された悟飯が恥ずかしそうに、下向き加減で謝った。 じゅるっ 続いて鼻水をすする音がした。 「…悟飯〜…鼻水垂らしたらいけねえだろ!?悪いな〜服汚しちまって・・・」 チチが悟飯の鼻を拭き、そして悟空が頭をかきながら謝った。 「(…なんか変な感じがするね、トランクスくん。)」 「(そうだな。悟飯さんが鼻水垂らしてるなんて、違和感感じるよ。)」 コソコソと話をする悟天とトランクス。
「じゃあな!悟飯くん!おばさん、おじさん、お邪魔様でした!」 「バイバイ!悟飯くん!また遊ぼうね〜!」 フワリと宙に浮き、少しづつ上昇する悟天とトランクス。 「おう!また悟飯と遊んでやってくれよ!」 「また夕飯食べに来るだよ!」 大きく手を振るチチと悟空。 「じゃ、悟飯くん、また会おうね。」 目が合い、お互いにニコッと笑い合う。 「・・・・・はい!」 そして悟飯の笑顔を確かめると、ビーデルも先に行った二人の後を追い、空へと舞い上がっていった。 ―――そして12年後、この3人が来たことによって世界の未来が変わってしまったとしてもきっと4人は出会えるだろう。 ★まだ「おまけ」があるよ★ |