うずらの卵  (2)

 

 

「タ・・・・・タイムマシ〜ン〜〜〜!?」

口を開けたまま固まるビーデル。

「はは!嘘でしょう?また私をからかおうとして〜〜!
 第一そんなものあるわけないじゃない〜!」

そう言って、バシバシとトランクスの背中を叩く。
しかし、当のトランクスのシリアスな顔を目の当たりにして
ビーデルの笑顔も消える。

「ほ・・・・本当・・・なの・・・・・・・・??」

「・・・・・・・・・・・・・・うん・・・・。」

   シーン・・・・・

沈黙。
突然過ぎたその出来事に、その場にいる誰しもが、
口を閉ざして呆然としている。
と、その時、悟天がトランクスの服の裾を引っ張った。

「ねぇねぇ。トランクス君。」

「・・・なんだよ悟天。」

押してはならないボタンを押してしまった悟天。
本当はすぐにでも大声で悟天の事を怒りたかったトランクスであったが、
そこに悟天をつれていってしまった自分にも非があったため、
ぐっと堪えて悟天に応じる。

「あのさ〜『たいむましん』って何??」

      ズコッ!!

トランクスとビーデルがその場に倒れる。

「そんなこともしらないのかよ!!このバカ!!」

倒れたままの姿勢でトランクスが怒鳴る。

「あ・・・・あのね悟天くん。タイムマシンっていうのは時間を超えて
 過去や未来に行く事ができる乗り物のことなのよ・・・・」

「え〜〜〜〜!!!じゃあここどこなの!?カプセルコーポじゃないの!?」

「あ〜もう!うるさ〜い!!そんなこと分かるわけないだろ!!
 それにいくら広いからって家の中にはこんな森なんかないよ!!」

そう、トランクス達が降り立った場所は、鬱蒼と茂る、木々の中。
トランクスが言うように、カプセルコーポの中にこんな場所があるわけない。

しかし、悟天はトランクスの言葉にぷく〜っと頬を膨らます。

「なんでトランクス君さっきから僕に怒鳴るんだよぅ!トランクス君の怒りんぼ!」

売り言葉に買い言葉。

「お前が状況把握ってもんをしてないからだろ!!」

「そんな難しい言葉使われてもわからないよ!!」

「オレは難しい言葉なんて使ってないよ!バカ!」

「バカじゃないもん!!バカって言ったひとがバカなんだよ!」

分からない事が多すぎる今の状況に、二人ともピリピリしてしまっていた為、
口喧嘩が始まってしまった。

「ちょっと〜〜〜!!今はそんな喧嘩なんかしている場合じゃないでしょう!?」

ビーデルが二人の間に入り、制止しようとする。
しかし二人はさらにビーデルを挟んだ状態から喧嘩を始めてしまっている。

「ああもう!!いい加減に・・・・・・・・」

ビーデルは堪忍袋の緒が切れかかり、怒鳴ろうとした瞬間、
その口をピタッと止めた。

(・・・・・・・・??)

何かが聞こえてくる。
耳を欹てようとしたが、前後でトランクスと悟天が言い合いをしているためなかなか聞こえない。

「ちょっと!静かにして!!」

「んぐ!!」

前にいたトランクスの口を手で塞ぐ。
最初はもがいていたトランクスであったが、
見上げるとビーデルが辺りを覗いながら見渡しているため
何かあったことを悟り、抵抗をやめた。

「・・・・・・?お姉ちゃんどうしたの・・・・??」

ビーデルの後ろで悟天が尋ねる。

「シッ!!静かにして!何か聞こえてきたのよ・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・?」

その言葉に、トランクスも悟天も一緒になって耳を澄ませた。

        ―――――――・・・・・・

「!」

確かに、木々が風に揺らぐ音の他に、何かが聞こえてくる。

(な・・・・・なんだ・・・・・・??)

       ・・・・・・ック・・・・ヒック・・・・・・・

(な・・・・・泣き声・・・・・!?)

「・・・ビーデルさん・・・・これって子供の泣き声・・・・・・・・?」

「そ・・・・そうみたい・・・・・・・・・」

音の正体が少し分かり、緊張も少しだけ和らぐ。
しかし3人の視線は以前、その音の方を向いている。

       ・・・・・ヒック・・・ヒック・・・・・

その声はもう間近にまで来ていた。

そして、次の瞬間、木々が作り出した暗闇の中から
木漏れ日に照らされて、一人の男の子が姿を現した。

「!!!」

「小さな男の子だ・・・・・・・・・」

悟天が呟く。
するとその声に、その小さな男の子は今まで目を擦っていた手を
離し、顔を上げた。

「だ・・・・・・誰・・・・・・・・・・??」

小さく声を出す。

「え?あ・・・えっと・・・・・私達は・・・・・・・・」

「僕、悟天だよ!」

「オレはトランクス。」

「・・・・・私はビーデル。」

すっかり緊張を解し、笑顔の悟天。
それにつられてトランクスも、もう緊張は解いているようだ。

「どうして泣いてるの?」

タッタッタと悟天は男の子に駆けより、そのまま屈みこんだ。

「・・・・お・・・・おうちがどっちか分からなくなっちゃったんです・・・・・。」

「迷子なの?」

コクリ。
目に涙を溜めながら、頷く男の子。

「ねえ、君はなんて名前なの?」

悟天の後ろから、トランクス、ビーデルも駆け寄り男の子に近づく。
しかし、イキナリ3人もの人に囲まれ、少し男の子は困惑している。

「あ、私達だったら大丈夫よ。一応怪しい人じゃあないから。」

「は・・・・はい・・・・・えっと・・・・僕は・・・・・・・」



そして次の瞬間、
3人は思いも寄らぬ男の子の発言に言葉を失うほど驚愕してしまうことになる。



「僕、孫 悟飯です。」

      

          
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