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うずらの卵  (3)

 

「そん…ごはん??」

あまりの驚きについそのまま言葉を返してしまったビーデル。

「はい。孫 悟飯です。」

黄色い服に「孫」の文字。
緑の袖に赤い帽子。
そしてその帽子の上にはドラゴンボール。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

    ピーチチチチチ・・・・・・・・

上の方から、鳥の鳴き声が不規則に聞こえてくる。
3人は、依然として目の前の小さな少年を見つめ、口を開けたまま固まっている。

「あ・・・・あの・・・・・・・・?」

3人の顔を交互に見つめ戸惑った様子で悟飯が尋ねる。
するとその悟飯の声で、やっとトランクスが言葉を発した。

「・・・そん ごはんて、やっぱり悟飯さんのことかな・・・・・・・?」

「こんな小さな子が悟飯君だとしたら・・・・・・・ここは一体何年前なの・・・・・?」

緊迫した空気を漂わせる二人をよそに、やはりまだ状況把握が
出来ていないと思われる悟天は

「兄ちゃんがどうかしたの??」

と言う顔をしている。

「ご、ごはんくん。何歳なの?」

つい同級生の悟飯と面影を重ねてしまい、少々戸惑ってしまう。

「…4歳です。」

しばらくしてから右指を4本立てて応えた。

「4歳……ってことは・・・・・ちょっと待ってて!」

そう言うとトランクスは180度くるりと回り、タイムマシンの方へ走っていった。
片手でタイムマシンのドアを軽く開け、顔だけ中に覗かせる。

「・・・・『前12年』・・・やっぱりそうだ!!僕たち12年前に来ちゃったんだよ!!」

トランクスがタイムマシンの中にある装置の一部かなにかを見て叫んだ。
確かにそのタイムマシンの装置には『前12年』という風に設定されている。

「ねえねえ、どういうこと?」

未だに状況把握が出来ない悟天。

「おまえには何を言っても無駄だからな!簡単に言うぞ!!
 この男の子は悟飯さんなんだよ。」

トランクスが4歳悟飯に目線を向け、また悟天に視線を戻した。
まだ子供だから仕方ないかもしれないが、目の前の4歳悟飯も
悟天と同じく周りの状況が飲み込めないらしい。
キョトンとした表情で3人を交互に見つめる。

「にいちゃん!?この子が!!??」

さすがの悟天もこの時点でやっとこその場の雰囲気が読めて来たらしい。

「そうだよ。で、迷子になってるらしいぞ。
ココ、悟天家の近くなんじゃないのか?」

「うちの・・・・・・・・?」

周りを見渡してみる。しかし鬱蒼とした木々が視界を阻み、
遠くの様子を見せようとしない。

「そうかな〜?・・・でもここからじゃわかんないや。ちょっと見てくるね!」

そう言うと舞空術で浮き上がり、周りをキョロキョロ見渡しす。
舞空術には慣れていたのか、それほど驚きを見せない悟飯だった。

「分かったよ、トランクスくん!ココ、パオズ山の中だよ!」

「パオズ山?すぐ近くじゃないか。」

「?ここ・・・・おうちの近くなの??」

二人の会話を聞き、悟飯が中に浮かんでいる悟天に尋ねる。

「そうだよ!すぐ近く!!ねぇねぇトランクス君!!連れてってあげようよ!!」

自分より幼い兄を見、やけにウキウキした様子を見せる悟天。

「そうね・・・・放っておく訳にはいかないし・・・・。」

「じゃあ早速!!」

「わわわ!?」

悟天が4歳悟飯の手を握り、連れて飛び立とうとしたその時。

「おい!待てよ、悟天!!」

浮き上がった悟天の足を掴みながらトランクスが呼び止める。

「うわっと!!・・・・・ど・・・どうしたの?トランクスくん。」

崩れかけたバランスを持ち直し再び地に降り立つ悟天。

「お前、その格好ヤバイんじゃないか?」

「なんで〜?」

「だってお前、親父さんにそっくりじゃないか!バレちゃうぞ。」

「確かに・・・・ただでさえ私達がこの時代に来ちゃって未来が変わっちゃったって言うのに、
 その上まだ誕生していない自分の子供が現れちゃったら、未来が大きく変わっちゃうわ!!」

「ビーデルのお姉ちゃん、難しいよ。僕分かんない…。」

抱えた悟飯を降ろしながら悟天が眉を寄せる。

「とりあえず・・・・そうだな・・・・・悟天!お前はここで待ってろ!」

「ええ〜〜〜〜〜!?何で!!僕も一緒にいきたい〜〜〜〜〜!!」

「バカ言え!!お前はこの時代の親父さん達に見られたらまずいんだよ!!
 だからここで待ってろってば!!悟飯さんはオレ達で連れて行くから!!」

「やだやだ〜〜〜!!!僕も行く〜〜〜〜〜!!」

頭を左右にブンブンと振り、必死に抵抗をする悟天。
その様子を見、ビーデルは深いため息と共に頭に手を当てた。

「・・・・しょうがないわね〜〜〜・・・・・・・・・・」






そして数分後。
そこにはいつもの胴着姿ではなく、くせっ毛の髪を二つ結びにし、山吹色の胴着を脱ぎ、黒のシャツの下に、
偶然ミニスカと長ズボンをはいていたビーデルから借りたミニスカートを履いて一般的に言う『女装』をした悟天がいた。

「ぶははははははっはは!!!!!ごてん…おまえそれ似合いすぎぃ!!!ハハハハ!!!」

爆笑するトランクス。

「そんなに笑う事無いじゃないか〜!」

ぷくーっとホッぺを膨らませて怒る悟天。

「悟天君。可愛いわよ…ハハ!それならバレないわ!きっと!」

「ビーデルのお姉ちゃんまで…!」

「おにいちゃんっ!とっても似合ってます!!」

何故か4歳悟飯まで加勢する。

「い・・・・・良いか、悟天。今日だけお前は『ごてこ』だからな!」

笑いすぎで痛くなったお腹を抱えながらトランクスが悟天の肩をポンと叩いた。

「な〜に?その『ごてこ』って??」

「バ〜カ!お前は女なんだそ?悟天じゃ変じゃないか!」

「う〜ん?そうかな〜?」

「とにかくっ!お前は『ごてこ』だ!!分かったな?」

「うん…」

そして悟飯は悟天に抱えられ、4人は一路、パオズ山山中の、悟飯の家へと向かっていった。


 

          
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