ベジータ、苦難の一日(2)

ガ―――――――・・・・

食堂のドアが開く。ベジータだ。

「おい。食事はまだか。」

「はいはい。そこにあるでしょうが。」

面倒臭そうに答えるブルマを尻目に、ベジータはスタスタとテーブルの方へ向かい、ドカッとイスに座った。
そしていつもの様に勢いよく、キチンと並べられた食べ物をそんなのお構いなしという感じでガツガツと食べていった。
すると、そこにブルマが来て、ベジータの正面のイスに腰をかけた。

「・・・・・・何をジロジロと見ていやがる。」

「べっつに〜〜。良く食べるな〜って思っただけよ。」

「・・・・・・・・・。」

ベジータはちょっと怪訝そうな顔をしたが、この女の考えてることなどどうでもイイか、とでも思ったらしく、
再び食事を始めた。

そしてテーブルの上に重ねられた食器類が今にも倒れそうになった頃、ベジータの食事が終了した。
口元をふき、席を立って食堂の出口へ向かおうとした。
しかしそこには腕組みをし、不適な笑みを浮かべたブルマがドアへ寄りかかっていた。

「・・・・・なんの真似だ・・・・早くそこをどけ。」

「んっふっふっふ〜〜・・・・どう??ベジータ。今日の食事はおいしかったかしら?」

「・・・今日に限って何故その様な事を聞く・・・。」

「だって〜、今日の料理にはアンタの為に特別な調味料をいれたんだも〜ん。」

「くだらん・・。早くそこを退けと言っているんだ。」

「あ〜ら、私にそんな事言っちゃっていいのかしら〜〜??」

(・・・・?)

ベジ―タはブルマが何を言いたいのかわからず、眉間に皺をよせて答えた。

「・・・・・どういうことだ。」

するとブルマはドアによっかかっていた体を起こし、組んでいた腕を解き腰に当て、得意満面といった表情をした。

「な〜んと!!じつは今回の食事には、その昔、私が作った『とあるキャンディ』が入っているので〜す!!」

(キャンディ・・・・・?)

「あら、前に話してなかったかしら??しかもそのキャンディは普通のキャンディではないの!
 私がある言葉を言うと、なんとお腹を下してしまうのよ!!」

(な・・・なに!?)

ベジータは焦った。何故なら、誇り高きサイヤ人の王子が人前で腹を下してトイレに駆け込むなど情けなさ極まりない、と思ったからだ。
しかし、ベジータはその心の焦りを隠し、ブルマに言った。

「・・・ふ・・・・・ふん!!そんな馬鹿げたキャンディなどあるか!どうせハッタリだろう!」

「ま、そう言うとは思ってたけどね。よ〜し!!じゃあ経験者に聞いてみましょう!!ウーロン―――!!ちょっとコッチ来て〜〜〜!!」

(け・・・・経験者だと・・・・・!?)

現実味を帯びてきたその話に、ベジータの焦りは増してきた。
すると、食堂のドアが開き、ウーロンがちょっと面倒くさそうな感じで入ってきた。

「なんだよブルマ〜〜。なんの用・・・・・・ってベベベベベベベジータ!!」

ブルマの奥に立つベジータに気付き、ウーロンは驚き、尻餅をついた。
しかしブルマはそんな様子など気にもせず、ウーロンに喋りかけた。

「ねえウーロン。あんたその昔、私が食べさせたある機能をもつキャンディの事覚えてる?」

「は?キャンディ・・・・・・??」

(ふん!!やっぱりウソじゃないのか!?)

ベジータはウーロンの様子を見、くちの端を持ち上げた・・・・・のもつかの間。

「あ―――――――――――――!!!!!」

(・・・・・・・・・・・!?)

「どう、思いだした?」

「ピ・・・・ピーピーキャンディだろ!?なんだなんだ!?またあの恐ろしいキャンディをオレに食わせ様ってのか!?
 お断りだゾ!!絶対食うもんか!だいだいオレが何をしたって言うんだよ!」

昔の恐ろしい記憶が戻ったらしく、ウーロンは一歩、また一歩と後ずさりをしている。
そんなウーロンを見、ブルマは笑いながらウーロンを制止した。

「や・・・・やあねえもう!ダイジョブよ。今回は何もしないわ。アンタはベジータにそのキャンディの事を話してくれればいいのよ。」

「こ・・・・今回は・・・・・??」

「おい、ブタ。」

「ブ・・・ブタ・・・・!?・・・・じゃなくて、ハイ!!」

ベジータの低い声に驚き、ウーロンは背筋をピシッと伸ばし、顔に汗をダラダラと浮かべた。

「そのキャンディの話は本当なのか?」

「は・・・はい!!もう10年以上前の話ですが!!」

「そんなに恐ろしいのか?」

「は・・・・・はい!!それはもう!!トイレットペーパーは肌身はなさず持っていないといけないぐらいです!!
 わ・・・わたしもブルマに逆らってしまった時は本当に後悔しました!!もう、2・3回言われただけで
 死にそうにやつれます!!」

(ト・・・・トイレットペーパーを肌身離さず!?)

ベジータの額に汗が浮かぶ。どうやら自分がトイレットペーパーを抱えているところを想像したらしい。
ショックのあまり(?)か、横でクスクスと笑っているブルマに突っかかろうともしない。

「ありがとウーロン。もう戻っていいわよ。」

そうブルマが言うと、ウーロンは瞬間移動でもしたかの様な早さでその場から去っていった。
そして食堂にはショックを受けたベジータと、ブルマが残された。

(オ・・・・オレが・・・・・このオレがトイレットペーパーを抱えるだと・・・!?しかもトイレに駆け込むだと!?
 そんな事できるか!!)

そう思うとベジータは意を決したかのように、拳を握り締め、しかしまだ動揺しているらしく、額に汗を浮かべたままブルマの方は見ずに言った。

「・・・・で・・・・ブルマ・・・・お・・・・お前はオレに、な・・・何をやらせようというんだ・・・・・・。」

 

 

 

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