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ベジータ、苦難の一日(終)
書き忘れてたんですが(死)、時代は人造人間の為に修行している3年間のあたりだと思われます。(^^;

 

ベジータの脳裏に今までの様々な記憶が蘇る。

惑星ベジ―タでの幼い頃の出来事・・・・・・・
ナッパと共に他の惑星に責めこんだ頃の事・・・・・
地球での悟空との闘い・・・・・・・・
ナメック星での・・・・・・
そして地球での・・・・

(オ・・・・オレが・・・・・・このオレが・・・・・皆の見てる前でトイレに駆け込む・・・・・なんて・・・・・・・!!)

ブルマの口から「ピーピー」という言葉が出てから2.6秒。

(・・・・・そんな事できるか!!このオレが!・・・・・・ん?・・・そうだ!!良く考えてみろ!!
 オレの腹は地球人と違う!!ホントに腹を壊すとは限らん!!もしダメでも・・・・オレは・・・・耐え切って見せる!!!)

・・・・・ジャスト3秒。微かな望みが見え、ベジータの決意も固まる。

「ベ・・・・・ベジータ・・・・・!!ご・・・・ごめんなさい!!私本当に言うつもりは・・・・・・!!」

ブルマが慌ててベジータの傍に駆け寄る。しかし、緊急事態となったベジータは爆発寸前だ。

「お・・・お前・・・・・人が大人しく言う事聞いてりゃあ・・・・・・・・・・!!!!!・・・・・・」

・・・・・・・ぐぎゅ〜〜〜〜〜〜〜るるる〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・

サイヤ人だから・・・・という望みもかなわなかった。
辺りが静まり返り、ベジータのお腹の音だけが沈黙の空間に響き渡る。
ブルマに怒鳴ろうとしたベジータだったが最早そんな事をしている場合でないと、お腹の音がそれを告げる。

「ベ・・・・ベジータ・・・・・・・・。」

既に経験済みのウーロンは、その音の次に波が襲ってくる事をしっていた。
珍しい事だが、ベジータを心配そうに見るウーロン。

「!!!!!!!!!!!」

第一波がベジータを襲い出す。その様子に気付き、ブルマもウーロンも一歩たじろぐ。

(・・・・・お・・・・・オレは・・・・・・オレは・・・・・・!!耐えててやる!!!!!!!)

お腹を抱えるベジータだが、先程の決意は固かったらしく、懸命に堪えている。
額に汗を浮かべながらも頑張るベジータ、そんなベジータを見、その場にいる二人は声をそろえてベジータに声援を送った。

『頑張れベジータ!!!!!!』

「頑張るのよベジータ!!!!あんたなら出来る!!!!!」

「耐えろ!!耐えるんだ!!ベジータ!!!!オレは出来なかったけど、あんたならやれる!!!」

3人の意志が揃う。
お腹を抱える男に、頑張れと声援をおくる女とブタ・・・・・・・・・なんとも奇妙な光景だ・・・・・。

「・・・・・・・・くっ・・・・・・・・」

先程よりは治まってきたらしく、ベジータの苦悶の表情が心なしか和らぐ。
それを見、ブルマもウーロンも安堵のため息を漏らしかける。

(・・・・・・・これなら・・・・耐えきれるかもしれん・・・・・・・・・!!)

そう思った矢先だった。
ぐるるるる〜〜〜〜〜〜っと第二波。

「ぐおおおお・・・・・・・・・・・・・・!!!!」

しかも先程よりも大きい波。ベジータの顔には汗が何滴も浮いている。
さっきよりもベジータの表情が険しくなっている事に気付き、慌てるブルマとウーロン。
二人は目をあわせ、そして無言で一つの結論を出した。

「ベジータ!!さっきは頑張れなんて言っちゃったけど・・・・やっぱりもういいわよ!!!
 早くトイレに行かなきゃ体壊しちゃうわ!!!!!!」

「そうだ!!ベジータ!!あんたはよくやったよ!!オレなんか速攻トイレだったぜ!!!
 そこまで頑張ったならアンタはすでに英雄だ!!!!!!」

しかし、そうは言っても、ベジータはまだ耐えようとしている。

「ベジータ!!もういいのよ!!トイレに行くことは恥かしい事じゃないわ!!自然の摂理よ!!!」

「う・・・・・うるさい!!!黙れ!!!!!オレは・・・・・まだ闘える・・・・・・!!!!!!」

「ベジータ・・・・・・・。」

胸元をつかみ、心配そうにベジータを見つめるブルマ。

(・・・し・・・・・・しかし・・・・・そうは言ったものの・・・・・これは非常にヤバイ・・・・・・!!!!)

そして・・・・・・こんな時に・・・・・の第三波がベジータを襲う。

「ぐあ・・・・・・・・・・・!!!」

『ベジータ!!!!!!』

(くそう・・・・・・・・!!もう・・・・・・もうダメだ・・・・・・・・・・・!!!!!!)

とうとう(強制的な)生理現象には勝てなかったらしく、ベジータは居間の出口へと視線を運ばせた・・・・・・・
と、その時だった。

 

シュン!!!!!

「!!!!!!!!!」

出口の所に一つの人影が降り立った。

「ヵ・・・・・・カカロット・・・・・・・!!!!!」

「孫君!!!!!」

「悟空!!!!」

その場にいた三人はそれぞれの呼び方でその人物の名を呼んだ。
そう、そこに現れたのは孫悟空。

「オッス!!」

「そ・・・・孫君なんでここに!?」

突然の悟空の来訪に驚き、ブルマが尋ねる。

「え?いやあ・・・・・別に用はないんだけどよぉ・・・ちょっと修行の合間に
 おめえ達が何やってっか見にきたんだよ。」

「そ・・・・そう・・・・・・。」

まだ、驚きが冷めてないブルマを余所に、悟空はブルマが抱えているトランクスをつついていた。

「ハハ!!おめぇがトランクスか!!」

「・・・・・え!?なんで孫君この子の名前知ってるの!?」

悟空はしまった、といったように口を手で押さえ、そして冷や汗をかきながら

「え!?アハハ・・・・その・・・・いや・・・なんとなくだよ!!・・・うん!」

と言った。まだちょっと信じられないといった表情のブルマだが、特に悟空に突っかかりはしなかった。
すると今まで、腹を抱えながらその様子を見ていたベジータが突然喋り出す。

「カ・・・・・カカロット・・・・・・!!邪魔だ・・・・!!早く帰りやがれ・・・・・・・・!!!!!」

(カカロットの見てる前でトイレなんかに駆け込めるかぁ!!!!!)

「なんだよベジータ〜〜!!別にいいじゃんかよ〜〜〜!!・・・?どうしたベジータ?腹抱えちまって・・・・・
 拾い食いでもしたんか?」

「う・・・・・・うるさい!!!オレは至って健康だ!!!!!」

(お腹を抱えながら言っても説得力ないわよね・・・・・・・)

悟空の前で必死に強がるベジータを見て、ブルマは騒ぎの発端者であるにも関わらずそう思った。

「と・・・・・とにかく!!!早く帰れと言ってい・・・・・・・・・・・・・」

そう、ベジータが言いかけた瞬間、不運にも第四波がベジータに押し寄せてきたのだった。

「・・・・・・・・・!!!!!」

今までのどの表情よりも凄まじい表情を浮かべ、下を俯くベジータ。

「お・・・・・おい!!!どうしたんだよベジータ!!!おいってば!!」

「ベジータ!!!!」

三人がベジータの名を呼ぶ。
そしてしばらくすると、ベジータが顔を少し上げた。
ブルマは目を疑った。なんとベジータは額に汗は浮かべているものの、笑っているのだ。

「・・・・・・・ククククク・・・・・・・・・・・。」

「ベ・・・・・ベジータ・・・・・?どうしちゃったの・・・・・・?」

気が狂ってしまったのか・・・・・そうも思った。

「この・・・・・オレが・・・・・・・・・」

「え?」

「このオレが・・・・・・・こんなものに負けるかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

そうベジータが叫んだ途端、あたりに風が吹き荒れた。
花瓶が割れる。
窓ガラスが割れる・・・・・・・

「ちょ・・・・・ちょっとベジータアアアアア!!!!家壊す気!?」

「わわわわ・・・・・!!」

ブルマとウーロンはその風に飛ばされない様にしゃがみ込む。
悟空だけがその場に立っていた。

「くおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・・・・・!!!!!!!」

ベジータの周りにさらに風が吹き荒れる。
植木蜂が散乱し、ソファーも壁に叩き付けられる。

「きゃ・・・・・・!!」

「す・・・・・すげぇ・・・・・・・・・・」

「・・・・・え?」

悟空が言葉を発する。暴風が吹き荒れてるため聊か聞こえ難いが、ブルマはその言葉に気がついた。

「ベジータの気が・・・・・・もの凄い勢いで上がってくっぞ!!」

「・・・・・・ええ!?」

そう、悟空の言う通りベジータの気はドンドン上がっていた。
本人は押し寄せる腹痛の波と闘うことに真剣で気付いてないが・・・・・・。

「・・・・カカロットの目の前で・・・・・・・このオレがトイレになど駆け込めるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

「・・・・!?これはもしかして・・・・・・いや・・・・もしかするかもしれねえぞ!!!」

   ボッッッッ!!

今までにない爆風が部屋を吹き荒れた。もう天井はぶっ飛び、壁は壊れ、オープンテラスのようになってしまっている。
あまりの爆風にブルマは目を閉じた。
そして、風が比較的治まったのでそおっと目を明けてみる。
すると、今までベジータが居た場所に、ブルマが知っているベジータはなく
そこには金髪の男が立っていた。

「え・・・・?ベ・・・・ベジータなの!?」

そう尋ねてみるが、男も男で自分の手を見つめながら、信じられないといった顔をしている。

「そ・・・・孫君・・・・・ど・・・どういうことなの・・・・?」

仕方ないので自分の前の方に立っている悟空に聞いてみる。

「・・・・・・サイヤ人だ・・・・・。」

「え?」

うまく聞き取れなかったのでもう一度聞き返す。

「超サイヤ人だよ!!!!ハハ!!ベジータやったじゃねえか!!」

「ええ!!???」

そう。ベジータは超サイヤ人になっていた。
悟空の言葉を聞き、ベジータがようやく言葉を発す。

「超サイヤ人・・・・・・超サイヤ人になれたのか・・・・・・!?オレは!!!」

「そうだ!!!よかったなあベジータ!!!」

ポンッとベジータの肩を叩く悟空。
なんとベジータは押し寄せるトイレへの誘いの波と、羞恥心との闘いの中、超サイヤ人に目覚めてしまったのだ。
・・・・しかしまあ・・・・・なんというか・・・・・・

「超サイヤ人・・・・・・・。」

ブルマとウーロンはまだ呆気に取られている。トランクスはキャッキャと嬉しそう(?)だが・・・・

「よし!!!じゃあオラは悟飯に知らせてこようかな!それじゃあ、またくっからな!」

そう言って、悟空は再び瞬間移動で消えていった。

(そ・・・・孫君は一体何しにきたのかしら・・・・・)

ブルマがそう思った瞬間、ベジータの方から笑い声が聞こえた。

「クククク・・・・・・・ハハハハハハ・・・・・・!!!やったぞ!!オレは遂に超サイヤ人になれたのだ!!!!
 しかも腹の激痛にも勝った!!!!!」

腕を上げ、超サイヤ人になれたことと腹痛が治ったことを喜び、歓喜の声を上げるベジータ。

「フフフ・・・・・今ならカカロットにも勝てる気がするぜ!!」

腕を下ろし、握り締めた拳を見つめる。
そして、近づいてくる人影に気付き、顔を上げると
そこには笑顔のブルマがいた。

「ブ・・・・ブルマ・・・・・・・・・。」

ちょっと驚いた様にも聞こえるベジータの声。

(・・・・・そういえば、こいつがオレに食わせたキャンディがキッカケで超サイヤ人に目覚めた、とも言えるんだよな。
 一度張ったおそうかとも思ったが・・・・・・まあいい・・・・・許してやるか・・・・・・・)

そして、その言葉をブルマに言おうとした瞬間、ブルマから言葉が返ってきた。

「・・・・・・・・・・超サイヤ人・・・・なれてよかったわねベジータ・・・・・それと・・・・ゴメン。」

「・・・・あ・・・・・ああ」

ブルマの素直な言葉に少し驚くベジータ。

「・・・・・・でも、ちょっと周りを見てもらえる?」

「?」

言われるままに、周りを見渡してみる。
するとそこにはあるはずの天井がなく、そして壁もない。
部屋の中は恐ろしく荒れ果てていた。

恐る恐るブルマに視線を戻す。そこには笑顔のブルマ。
ベジータの背筋が凍りつく。

「・・・・・・・もういいの・・・。あんたに働けなんて言った私がバカだったわ・・・・・・。・・・・・もう何も頼まないから。
 でもその代わり・・・・・・・・ここの修理が終わるまで御飯抜きね!!!!!!」

「い!?」

髪の色がもとにもどり、そのまま固まるベジータ。大飯食らいのサイヤ人には、衝撃的な言葉である。
そしてブルマはそんなベジータとのびているウーロンをその場に残したままで「フン」と言いながらトランクスを引き連れて去っていった。

オーブンテラスとなった居間に、虚しい風が吹き荒れた。

 

      ―――――――それから数日間、孫家にはベジータが食事の時間になると姿を現すようになったという

 

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