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愛する事(3)                            written by えりえるさん

 
それから二人はそれぞれ寝る支度をし、ベッドに入ったがピッコロはなかなか眠れなかった。
(正体を知られてはならない・・・でも・・・いつかはルークと戦うことになる・・・その時・・・俺は戦えるのか・・・?)
その時、向こうから声が聞こえてきた。
「マジュニアさ、まだ起きてるだか?」
「あ、ああ・・・」
「そっち行って・・・いいだ?」
「ああ・・・」
ピッコロがそう答えるとすぐ、ルークはピッコロのベッドに潜り込んだ。
「・・・狭いな」
「ちょっとはガマンするだよ!」
ルークは笑顔でそう答えた。
「ところで、どうしたんだ?」
「ちょっとマジュニアさの身の上話も聞きたくなっただよ」
ピッコロは一瞬驚いたような表情を見せたが、静かにゆっくりと語り始めた。
「オレもお前と同じで・・・親に愛された記憶はない・・・」
「そうなのけ・・?」
「あぁ・・オレも人を殺すために生まれてきた・・・世界征服の意思を受け継いでな・・・」
「じゃあ、世界征服するのけ?」
「いや・・・それはもうやめた・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「どうした?」
「オラは・・・生まれてこないほうが良かっただな・・」
「・・・・・・・・」
「ホントはピッコロのことなんかどうでもいいだ・・・でも、ピッコロを倒さねぇとオラの存在する意味がなくなっちまう・・・」
そう言うとルークは涙をこぼした。
ピッコロは静かにルークの頭を撫でた。それは普段のピッコロからは考えられないほど、優しく、
そして人情味溢れた行動だった。
「マジュニアさ・・・?」
「・・・オレも世界征服をしなければ存在する意味などないと思っていた・・・でも、仲間を持ち、
 弟子を持って違う生き方もいいものだと感じた・・・」
「マジュニアさ・・・」
「オレとお前は、もう仲間だろう・・・?」
それを聞いてルークは涙を流しながらうなずいた。
「お前の存在する意味は・・・ここにある・・」
そういってルークを抱き寄せた。これは自分でも自分らしくない行動だとわかってはいた。
でも、どうしても自分に似た境遇を持つこの女を放っておく事は出来なかったのだ。
「く・・・くく・・・」
胸元から笑い声が聞こえてきたので、驚いて
「なんだ?」
と聞いた。
「くせぇだよ!!」
ガーン・・・
しかし、ここで意味を理解するピッコロではなかった。
「ちゃ・・・ちゃんと風呂には入ったが・・・」
「違うだよ!クサいセリフを有難うって意味だ!」
ピッコロの腕に抱かれながらルークはまた笑った。
(固い戦闘服の下はこんなに柔らかかったのか・・・)
ピッコロは思った
(この女がいつも元気だったのは・・・心に固い戦闘服を着ていたからなんだな・・・
 でも戦闘服を脱げば・・・強く抱きしめたら崩れてしまいそうな・・・)
ピッコロはルークの頭を撫でながら言った。
「今まで・・・よく頑張ったな・・・」
ルークは涙を流し、ピッコロの胸に顔をうずめた。
「ごめんな、嬉しすぎて泣けてきただよ。」
「オレの前ならいくらでも泣いていい」
「たのもしいだな」
笑顔でそう言うとルークはピッコロの胸で思う存分に泣き始めた。
(ナゼだ・・・悟飯が幼かった頃は泣かれる事が一番嫌だったのに・・・今は嫌どころか・・・)
自分の甘さを認めたくないピッコロはそれ以上は考えなかった。
「・・・ありがとう、マジュニアさ。」
気がつくとルークはもう吹っ切れたように涼しい顔をしていた。
「いや・・・もう気は済んだか?」
「あぁ・・・ありがとだ・・・」
そう言うとルークはピッコロの唇にそっと自分の唇を重ねた。
「何だ?」
「おめぇキスも知らねぇだか!!??」
「キス?」
「愛してるっていうのを・・・態度で示してるんだべ・・・」
そう言うとルークは赤くなった。
「愛するものが居たらみんなそれをするのか?」
「ま、まあそうだべな・・・」
(孫やべジータやクリリンもこんな事をしていたのか・・・)
ピッコロは妙に感心した。
「こ、こーゆー事は男からするのがセオリーだってのに・・・」
「ナゼだ?」
「れ、恋愛感情を持った相手にこれをするのは・・・まあ当然だべ」
「?・・・そういう事はわからんな・・・ナメック星人は恋愛感情など持たないから・・・」
それを聞いた瞬間ルークは気絶した。
「お、おい?」
ピッコロがそう言った瞬間ルークはがばっと起きあがった。そして呆れ顔で
「そういやマジュニアさは男じゃなかっただな・・・」
とつぶやいた。そしてベッドからのそのそと降り、空に向かって大声で叫んだ。
「マジュニアさのアホンだら〜〜!!!」
「なっ・・・」
ピッコロは動揺した。その声のデカさに驚いたのもあったが、
少なくともこの女・・・ルークにアホンだらなどと言われるような事はした覚えがないからだ。
「男か女かはっきりしやがるだよ〜〜!!オラばっかり恥ずかしい思いさせるでねぇだ〜〜!!!」
ピッコロはただ呆然と空に向かって怒鳴っているルークを見つめていた。
「あぁ、スッキリしただ。」
そう言って自分のベッドに戻ったルークを見てピッコロは何も言えず、ただ
(お、女とはわからん・・・)
と苦悩するのであった。

 
 

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