俺は自分の部屋で病院で手渡されたぎょう虫検査のシートを見つめていた・・・頭の中は真っ白だ・・・。
あの看護婦はこう言ったのだ。
「朝起きたらすぐにお尻に貼ってください」
そのシーンが頭の中で何度もリピートされる・・・。
あ、朝一番にケツに貼れだと・・・?想像しただけで笑っちまうぜ!!サイヤ人の誇り高き王子のこの俺が!!
「べジーター!!ごはんよー!!」
飯の支度が出来たようだ。とりあえあず俺はぎょう虫検査のシートをベッドと枕の間に挟んで隠し、部屋を後にした。
リビングのドアを開けた途端良い匂いが漂ってきた。ブルマとトランクスが何か話している。俺は黙って椅子に座った。
「ママ、今日ね、学校でおしリペッタンの紙もらったんだ。明日の朝して、持っていくんだって。」
おしリペッタン・・・?おれは二人の会話に耳を傾けた。
「あら、大変。忘れないようにしなくちゃね。」
すかさずブルマが答える。俺はトランクスに向かって言った。
「オイ、忘れないよう、ここに置いておけ!!」
ブルマが感心した顔で俺を見る。俺は少し良い気分だった。
少し経つとランドセルを抱えたトランクスが戻ってきた。そして小さな一枚のシートをテーブルの上に置いた。
「あっ!!」
俺は思わず声をあげてしまった。案の定、そのシートは俺が貰ったぎょう虫検査のシートと全く同じ物だった。
「どうしたの?パパ」
トランクスが不思議そうな顔で俺を見る。
「あ、あの・・」
俺がしどろもどろになっていると、ブルマが
「あ!!わかった!!アンタも小さいころしてたんでしょ!」
と自信ありげに言った。
昔じゃなくて今だ!!と言いかけたが、おしリペッタンの事がばれるのが嫌なのでやめておいた。
とりあえず飯も食い終えたので、俺は部屋に戻った。
重力室でトレーニングをしようと思ったが、やはり頭の隅には常におしリペッタンの事が引っかかっている。
枕の下からおしリペッタンを引っ張り出して見た。
・・・俺はこれを朝一番に貼るのか・・・?ケツに・・?冗談じゃないぜ!!・・・しかしもし虫がいたら・・・?
どうなるか聞こうと、俺はブルマの部屋に向かった。
「おい!!ブルマ!!」
ドアを思いきり開けた。何かの研究中らしい・・・。振り向きもせず答えた。
「なあにー?」
「トランクスが持ってきた・・・おしリペッタンとかいうもの・・もし、しないで虫がいたらどうなるんだ・・・?」
「うーん・・・」
ブルマはしばらく考えるような表情を見せた後、こう言った。
「死ぬわね・・・」
それを聞いた瞬間俺の背筋に悪寒が走った。
し・・死ぬ・・・・?おしリペッタンをしなかったばかりに俺は死んでしまうのか・・・?
放心状態のまま俺は部屋を出ていった。直後にブルマが爆笑していた事など知る由もなかった。
・・・・どうすべきか・・・俺はおしリペッタンを避けられない運命なのか・・・?
その瞬間、俺の頭の中で一昨日の記憶がよみがえった。
あの夜、ブルマはテレビを見ていた。風呂上りの俺は牛乳を片手にテレビのほうへ目をやった。
よくある恋愛物だった。テレビの中の男は女にこう言っていた。
「俺とお前は運命の赤い糸で結ばれている・・・」
・・・・・聞いててヘドが出そうだったぜ。しかしブルマは目を潤ませながら
「私とべジータも運命の赤い糸で結ばれているのね・・・」
などとほざいていた。あの時はバカバカしくて部屋に戻ったのだが・・・・フン、バカな女め。
俺はブルマとは運命の赤い糸で結ばれてはいなかったようだ・・・。
なぜなら俺は今、おしりペッタンと運命の赤い糸で結ばれているからだ!!!
・・・・おっと、思考が横道にそれてしまった。今考えるべき事は俺はおしリペッタンをするべきか・・・それのみだ。
どうするか・・・選択肢は二つ。
1、プライドを捨てておしリペッタンをし、生きる。
2、プライドを捨てずおしりペッタンをしないで、死ぬ。
きゅ・・・究極の選択だ・・・。プライドを捨てるか命を捨てるか・・・・。
どちらも俺にとっては必要なものだ。
・・・・・・待てよ?もしここでおしリペッタンをしなかったばあい・・・俺は腹の虫に殺されて死ぬのか?
そんなことで俺は・・・。くっ・・。
もし腹にいた虫に殺された事がばれたら、俺は死後、笑い者になってしまう!!どうすれば・・・?
俺はおしリペッタンの紙を光に透かしてみた。こう見ると悪くもないな・・・。しかしケツに貼るとなると話は別だ!!
俺は・・・・・・どうしたらいいんだ!!!
その時不意にカカロットの事が頭をよぎった。そうか・・・まだ俺はアイツを超えていなかった!!アイツを超えるまで・・・・
俺は生きる!!!!!!!
こうして俺はおしリペッタンを決意した。
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