グランパ蘇る。 written by さん

 
〜カプセル・コーポレーション〜


バーダックは小さな声で言う
「・・・もう、時間がない。」
「え・・・?」
ブルマは言う
「な、なんで?まだ半日も残ってるじゃない?」
「オレのように地獄にいるやつはこの世には半日しか戻れないんだ。」
「そんな・・・。」
まだ何も話せてない、言いたい事がたくさんあるのに、
名前しか知らないまま何もいえずに別れるなんて・・・。
バーダックは明るい声で
「まあ、しょうがねえって。半日この世に戻れただけでもよしとしようぜ!!」
と、でもその明るさがやけに悲しい

「・・・そ〜いや、今日はオレのせいで花火見れなくなっちまったんだっけ。」
と言葉をもらした。その後バーダックは手に気をため、連続にエネルギー波を空にはなった。
そしてパチンと指を鳴らす。その途端、空にはなたれたエネルギー波が花のように散る。そう、花火のように。
「すまねえな、こんな事しかしてやれねえ。」
それは悟空たちにはどんな物よりも美しく見えた。
「今日、楽しかったぜ。」

バーダックはさみしそうに言う。
と、同時にバーダックの体が輝きだし、薄くなってゆく。
「父ちゃん!待ってくれよ!オラまだ父ちゃんに何にも聞けてねえよ!!」
バーダックは何も言わない。
「母ちゃんの事も、アニキの事も、何にも聞けてねえ!!」
「おじいちゃん!!」
「バーダックさん!!」

次々に皆が叫ぶ。と、バーダックが何かを言う。だが、聞こえない。
「父ちゃん!聞こえねえ!!聞こえねえよ!!」
バーダックは必死に何かを訴えるように話す。聞こえない。
「何だよ!!父ちゃん!!わかんねえ!!わかんねえよ!!」
悟空は泣きそうに言う。いや、泣いていた。
悟空たちの叫びもむなしく、バーダックはふっと笑った後、光とともに消えて行った・・・。



数日後



悟空のもとにブルマがやってきた。
「おう、ブルマ。どうした??」
「これ・・・孫君に渡したくてきたの。」
と、ブルマは2つの袋を悟空に渡した。
「私はまだ中見てないから。」
そういってブルマは帰っていった。

ブルマが持ってきたものは写真だった。思い出に・・・とこっそり撮ったものだった。
その写真の中では皆が笑っていた。興味深く都を見回すバーダック。
破裂した風船に驚くバーダック。クリリンとたこを見間違えたバーダック。
色々な表情で写っている。あのバーダックが作った花火も撮ってあった。
そして最後の1枚を見て悟空は驚いた。
その最後の1枚はあの時、バーダックが消える時の写真だった。
微笑むバーダックの写真に、はこう記されていた。
「強くなれ・・・カカロット。」と、


もちろんペンなどではない。悟空はすぐにブルマに電話し、写真の事を告げた。
ところがブルマは、
「え??変ねえ、私が撮ったのはあの花火までなんだけど・・・。」
「え!?ほんとか??」
「本当よ。あの時悲しくて写真なんてとれなかったわよ。」
「じゃあ・・・。」

電話の向こうでブルマは小さく笑いながら言った。
「きっとあの消える時にいえなかった事を伝えたかったのかもしれないわね。」
「そうか・・・。」
そこでブルマは思い出したかのように悟空にいった。
「あ、そうそう孫君。もう1つの袋見た??」
「え?いや、まだ見てねえけど・・・。」
「見てみなさいよ。バーダックさんが私に言ってきたのよ。これ、あいつに渡してくれって。」
「ああ、わかった。」

電話を切ったあと、悟空はもう1つの袋をのぞいた。
「あ!!」
中にはバーダックがつけていた赤いバンダナが入っていた。
「父ちゃん・・・。」
悟空は自分の頭にバンダナをぎゅっと縛り、
「よし!!今日も修行すっぞ!!!」
と意気込んだ。
「ありがとう、父ちゃん。オラもっと強くなるぞ!!絶対、絶対強くなるぞ!!」
悟空はあの世の父親にそう誓い、修行をしに、空を飛んだ。







                                               終

 

 

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