written by Teanoさん
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Memento Mori 〜汝、死を忘るるなかれ〜
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時がまるで心臓の鼓動のように、刻々と確実に過ぎてゆく。
かつて遠い先の出来事に思えた事が、今厳然たる事実として容赦なく一歩一歩近づいてくる。
でもこうやって書く事で心の重りが取り払われる。
君なら俺の心をきっと理解してくれるから。
君と共に過ごした日々は、俺の心の中で大きな位置を占めている。
その事を君に伝えたかった。
小船をつなぎ止める綱が切れる前に・・・。
ついこの間始まった俺達の"旅"は何度か危機を乗り越え、そのたびに絆が深まった。
俺がこれほど強くなれたのは、君の存在があったからだ。
できるならこれからもずっと、"旅"を続けていたかった。
でも、例え途中で力尽きたとしても、決して悔やまないで欲しい。
俺は全力で闘ったのだから。
"旅"の最後の行程は誰でも独りで歩まなければならないんだ。
今ほど君を近くに感じる事はないよ。
例え別の道を歩んでも、君がいると思えばまた闘う勇気が湧いてきたんだ――・・・。
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溢れ返るような痛みの奔流・・・。
血の匂い。
死神の足音はもう、すぐそこまで来ていた。
「何故だ?」
薄れる意識の中で、そう問う声が響いた。
「何故、そうやってお前は俺達に哀れみの目を向ける?」
そう問うのは少年。
「カワイソウだとでも、言いたいのか?」
それに重なる声は、少女のそれだ。
「・・・何故・・・だろうな」
自分でもよく分からない。
「ただ・・・お前達も俺と同じだと分かったら・・・前のように憎む事が・・・できなくなった」
「同じ・・・?」 「私達が、お前と?」
「俺も・・・お前達も・・・同じなんだよ」
そう、同じなんだ。
憎しみに捕らわれ、進むべき路を誤った――・・・。
「そりゃ・・・お前達は今でも赦せないさ。
だけど、もう、俺には――・・・お前達を殺す事はできない」
「それで――お前は『死』に逃げるのか?」
そう。
そうかもしれない。
結局、自分は逃げたいだけなのかもしれない。
「お前なら、私達を殺してくれると思っていたのに・・・」
そう呟いた彼女の声には、今まで聞いた事のないようなモノさえ含まれていた。
哀しげだとすら言える口調だった。
「お前達を解放してくれるのは、俺じゃない・・・」
彼らを解放するのは自分ではない。
自分では無理なのだ。
『――・・・君ならば、きっと』
信じて、託した。
彼一人に全てを背負わせる、その事に罪悪感を覚えない訳ではない。
荷が重すぎるかもしれない。
辛すぎるかもしれない。
だが、彼でなくては駄目なのだ。
いつの間にか、雨が止んでいるのに気付く。
柔らかな陽射しを感じる。
このまま会いに行けば、父は俺を叱るだろうか。
このまま会いに行けば、師は俺を叱るだろうか・・・。
広がるのは、目に痛いくらいの蒼い空――。
☆ 後書き ☆
ここで暴露しておきますと、この小説の前半部分の遺書っぽい文章は私の考えた文
章ではありません(滝汗) 某海外ドラマのとあるエピソードからです。これを聞い
た時、すごーく感動した覚えがあります。で、そのセリフを未来悟飯風に少しアレン
ジしました。ついでに言うと、タイトルもそうです。これがまたすっごく切ないエピ
ソードで(涙)
17号・18号と悟飯のやり取りなんかバリバリ妄想入りまくってるこの小説です
が、同じ憎しみに捕らわれた者同士、最期くらい話が合ったんじゃないかなぁ、なん
て(爆) この後のトラの苦労を思うと何ですがね(苦笑)
悟飯と人造人間達、双方の違った形の『憎しみ』が書けて、小説に関してはもー私
としては心残りないです(笑)