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written by Teanoさん


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Sein Und Zeit 〜存在と時間〜  第1話

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 身体中の神経がザワつく。
 視界が漆黒に染まったかのように感じた刹那、今度は純白の闇に捕らわれる。
 
 ――何度体験してもこの感覚だけは慣れないな。

 軽く溜息をつき、青年――トランクスはタイムマシンのシートに深くもたれかけ
た。
 彼が時間(とき)の神に逆らって"旅行"をするのは初めてではない。
 自分の師である悟飯の父・孫悟空に会う為に、未来――彼にとっては紛れもなく"
現在(いま)"であるが――を変える為に、かつて彼は時間の狭間を越えてきた。
 
 その度に襲われた不安。
 恐怖。
 怒り。

 それらに纏わりつく、湧き上がるような孤独感が苦痛だった。
 それらに纏わりつく、あのアイス・ブルーの冷たい瞳が真っ直ぐに己を貫く感触が
苦痛だった。
 だが、今の彼を包むのはそれらとは違う、自分でも説明のつかない、例えようもな
い奇妙な感触だった。 
 その正体を、トランクスは掴みかねていた。



 不意に溢れんばかりの光の洪水が瞳を突き刺す。


 光の洪水が収まり、開かれたトランクスの瞳が徐々に視力を取り戻していく。
 眼下に広がる都会の高層ビルの中の、"CAPSULE CORP."と記された丸い建物。
 思わず唇が笑みの形を取る。
 はやる気を押さえ、タイムマシンを敷地内の庭園へ着地させる。

 ――母さん達、いるといいんだけど・・・。

 タイムマシンからヒラリと身を投げたトランクスが地に足をつけ、タイムマシンを
カプセルに戻すか戻さないかという時に、背後から声が響いてきた。
 
「おにーちゃん・・・だぁれ?」

 咄嗟に振り向いて声に応えようとしたトランクスが一瞬動きを止める。
 そこに立っていたのは、まだ3、4歳くらいの幼い少女。
 大きな瞳を不思議そうに瞬かせながら、首をちょこんと傾げる。
 フワリと蜂蜜色の髪が揺らぎ、キラキラと陽光を反射させる。
 トランクスは、何故だか目の前の少女に見覚えがあるような気がして少し眉をひそ
め、思い当たる人物を探そうと無意識に頭を巡らせる。

 と。

「マーロン! 勝手に歩き回っちゃ・・・」

 少女の母親であろう女性の声を耳にした途端、トランクスの心臓がドクンと大きく
脈を打つ。
 思わず目を見開いたのも無理なからぬ事だったに違いない。
 相手も驚いたようにこちらを見ている。

 ――18号・・・!?

 見紛うはずもない、そのアイス・ブルーの瞳。
 肩で揃えられたプラチナブロンドの髪。
 トランクスはまるで未来に引き戻されたような錯覚に陥った。
 頭が混乱して、上手く思考がまとまらない。

 ――馬鹿な。18号は確かに俺が・・・。

「あんた、確か・・・トランクス、だったっけ? 未来から来たとか言う・・・」

 凛とした声。

『人間を見ると腹が立つんだ。あたし達は人間が嫌いなんだよ』

 言葉とは裏腹に、さも可笑しげに、楽しげに言い放ったその声。
 同じ顔。
 同じ、声――。
 
「そんな怖い顔しなくても、取って喰いやしないって」

 思わず相好を崩してクスリと笑ったその雰囲気に、ますますトランクスは混乱して
しまう。

 ――コレハ、ナンダ?

 ――オレハ、コンナノシラナイ――

「いや、別に・・・その・・・いるとは思わなくて・・・」

「・・・ああ、そうか。あんたは、知らなかったっけ」

「――え?」

「ちょっと、座ろうか」

 そう言って示されたのは、いかにも上質そうな真っ白いガーデニングテーブルと、
それを囲むように置かれた同色の椅子。
 未だ戸惑いながらも、トランクスは彼女に促されて椅子に腰をかけた。

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